中国式QRコード決済について(6):「中国QRガー」にだまされないために日本の銀行系「~ペイ」を自習

中国のインターネット決済、主にスマートフォン決済の普及率の高さを手放しで称賛する人々を、5ちゃんねるから言葉を借りて「QRガー」と呼んでいるが、もしかすると日本でのモバイル決済の普及のスピードに追従できていないだけかもしれない。 「中国QRガー」の皆さんは日本に無知すぎるのか 筆者もここ数日ネットで調べて知ったのだが、メディア露出の高いLINE Pay、PayPay、楽天ペイに加えて、大手金融機関も続々スマホアプリによるQRコード決済に進出、個人間送金サービスも始めている。 下記のような日本のQRコード展開状況にまったくふれない「中国QRガー」のみなさんは、わざと無視しているのか、単に知らない 続きを読む 中国式QRコード決済について(6):「中国QRガー」にだまされないために日本の銀行系「~ペイ」を自習

中国式QRコード決済について(3):ネオリベラリズムと思想的独裁は相性がいい

最近気づいたのは、中国のイノベーションを肯定的に評価する論者が、ネオリベラリズムを肯定的に評価する傾向があることだ。 中国に限らずどの国の政府も、現実の政策実行では政府の介入が大きい部分と小さな部分を相互補完的に機能させる。 経済の基盤となっている経済の外部、つまり共同体、個人の思想信条・宗教、社会の慣習など、貨幣に換算しづらい会資源を把握してしまうと、安定した正常な経済自体が成り立たなくなるためだ。 こうした経済の外部にある必ずしも合理的でない社会資源の存在意義を軽視して、ネオリベラリズムに沿って議論を展開すると、意図せずして現実のどこにも存在しないユートピアを記述するはめになる。 ごく普通 続きを読む 中国式QRコード決済について(3):ネオリベラリズムと思想的独裁は相性がいい

中国式QRコード決済について(2):QRコードの快適さと出来たての料理のどちらを取るか

中国のQRコード決済に関する書物についてのツッコミ第2弾はこちら。 『体験の出口を争う日本のキャッシュレス、体験の入口から作る中国のキャッシュレス』(2019/04/04) この記事に書かれているのは中国の二維火という会社の飲食店向け業務システム(ERP)のことで、QRコードが主な機能の業務パッケージではない。 同社は2017年、すでに日本に進出し、記事にあるのと全く同じ業務パッケージを飲食店向けに販売している。 QRFood (2Dファイヤー・ジャパン株式会社) 公式サイトは情報が少なすぎるので社長のインタビュー記事を参照しようと思ったら、リンク切れでGoogleキャッシュしか残っていない。 続きを読む 中国式QRコード決済について(2):QRコードの快適さと出来たての料理のどちらを取るか

中国式QRコード決済について(1):不便さこそが取引を安定させる

たまたま中国のQRコード決済にかんする書き物にTwitterでツッコミを入れる機会があったので、筆者の考えをまとめておく。 送金は「決済スキーム」と「送金スキーム」の部品にすぎない ツッコミを入れたのはこちらの記事。 『QRコード”送金”が推進した中国のキャッシュレス事情』(2019/04/02) 決済と送金、「この両者はスキームがまったく異なります」としている。 「取引の当事者以外に債権を引き受ける人(会社)が必要になる」ことで、「決済事業者の理解をとりつけることが商売の壁になってはいけません」としている。 しかし送金のスキームに取引の当事者以外に債権を引き受ける人は 続きを読む 中国式QRコード決済について(1):不便さこそが取引を安定させる