「伝統」は分離不可能ゆえに「伝統」として機能する
朝青龍の引退にかんする記事について、「相撲協会の上層部が無能を取り繕おうと持ち出す伝統と、内館氏のいう品格や伝統は別のものだ」とのご意見を頂いた。 このご意見はそのとおりである。(そんなこと、言われなくても分かっている) 僕が言いたかったのは、当事者である日本相撲協会が、閉鎖的な角界内部のごたごたを取りつくろうための「伝統」と、内館牧子氏のいう「伝統」を、自覚的に使い分けているだろうか、ということだ。 そもそも「伝統」という言葉には、自己同一性と不変性が含意されている。 例えば、毎回ころころ変わるようなものに対して、ふつう「伝統」という言葉は使わない。 仮に日本相撲協会が、「伝統」には二種類あ 続きを読む 「伝統」は分離不可能ゆえに「伝統」として機能する