台風の帰宅困難者と福島第一原発事故の共通点

昨日(2011/09/21)、台風が二十数年ぶりに首都圏を直撃した。 僕の勤めている会社は、昼休みが終わって早々に退社指示を出してくれたので、電車が動いているうちに無事帰宅できたが、夕方のニュースを見ると、新宿駅や渋谷駅が「帰宅困難者」であふれていた。 2011/03/11の大震災のときに見たのと全く同じ光景だ。 地震は予測できないし、あれだけ大きな地震なら「帰宅困難者」が主要駅に大量にあふれるのも仕方ない。 しかし、今回の台風は、気象庁が朝のうちから「最大級の警戒」を呼びかけ、夕方には東京がもっとも激しい暴風雨圏内に入ることは予想されていた。 にもかかわらず、大震災の教訓をいかさず、社員を定 続きを読む 台風の帰宅困難者と福島第一原発事故の共通点

『人間と環境への低レベル放射能の脅威』を読んだ

ラルフ・グロイブ、アーネスト・スターングラス著、肥田舜太郎・竹野内真理訳『人間と環境への低レベル放射線の脅威~福島原発放射能汚染を考えるために』(あけび書房)を読んだ。 この本のレビューをするのはとても難しいが、お子様のいらっしゃる方は、とりあえず「必読」としておすすめしておく。 まず肥田舜太郎氏が本書の日本語訳に着手したのは、東日本大震災による福島第一原発事故が起こる数年前だった。 もし、福島第一原発事故がなければ、たぶん本書は原子力についての「トンデモ本」あつかいされ、完全に黙殺されていたに違いない。 福島第一原発事故が起こった後の現在でも、原著者のアーネスト・スターングラス氏や、本書の原 続きを読む 『人間と環境への低レベル放射能の脅威』を読んだ

二者択一を迫られる被災者を尻目に神学論争を続ける人々

ドイツのテレビ局ZDFの『Frontal 21』という番組の『福島原発事故、その後…』について、福島中央テレビによる申し立ててYouTubeから削除された件も含め、いまネットでいろいろと話題になっているようだ。 僕自身もツイッターで、低線量内部被ばくについて、ある方と少し議論になった。 その方は「ECRR(欧州放射線リスク委員会)はトンデモ団体で、彼らが低線量内部被ばくについて論じていることは全くあてにならない」というご意見だった。 僕は東大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦氏の意見を今のところ信用しているので、「ICRP(国際放射線防護委員会)の設定したしきい値には、最先端のゲノム科学が全 続きを読む 二者択一を迫られる被災者を尻目に神学論争を続ける人々

ドイツZDFの『福島原発事故、その後』日本語字幕文字起し

ドイツのテレビ局ZDFの『Frontal 21』という番組で、福島第一原発事故のその後がレポートされた。 YouTubeにアップロードされていた動画は、福島第一原発の水素爆発の場面を無断で使われたという理由で、日本テレビ系列の福島中央テレビによる申し立てて削除されている。したがって、ここには日本語字幕だけ文字起ししておく。 もとにした動画はtwitvidにアップされているこちら。 なお、この日本語字幕を作成したのは、こちらのブログCANARD PLUSの筆者の方のようだが、字幕を作成しました、という報告のエントリーは削除されており、Googleのキャッシュにしか残っていない。 また、僕のブログ 続きを読む ドイツZDFの『福島原発事故、その後』日本語字幕文字起し

肥田舜太郎・鎌仲ひとみ著『内部被曝の脅威』(ちくま新書)

肥田舜太郎・鎌仲ひとみ著『内部被曝の脅威』(ちくま新書)を読んだ。 本書は2005/06/10、東日本大震災の前に出版され、人類の原子力利用の歴史において、とくに第二次大戦後、内部被ばくによる健康被害が軽視され、ときには意図的に隠蔽されてきた事実を告発している。 著者のうち、肥田舜太郎氏は自ら広島で被曝した医師で、戦後一貫して原爆症患者の治療にたずさわってきた。鎌仲ひとみ氏はジャーナリストだ。 内部被ばくがもたらす健康被害の実例として、湾岸戦争で米国によって大量に使用された「劣化ウラン弾」によるイランの子供たちの健康被害(各種のガンや先天性異常)、肥田氏自らいまも体験している広島・長崎の原爆後 続きを読む 肥田舜太郎・鎌仲ひとみ著『内部被曝の脅威』(ちくま新書)