GDPRの日本に対する「相互的十分性認定」は実際は「不十分」かつ「片務的」のように見える:個人情報保護委員会のパブコメへの回答から

欧州個人データ保護規則(GDPR)について、日本が欧州から欧州個人データの域外移転について十分性認定を受け、今年2018年中には正式に発効する。 その十分性認定を受けることができたのは、日本の個人情報保護委員会が、既存の個人情報保護法への補完的ルールとして「個人情報の保護に関する法律に係るEU域内から十分性認定により移転を受けた個人データの取扱いに関する補完的ルール」(以下「補完的ルール」)を制定、パブリックコメント募集を経て正式に発効させたことだ。 しかも今回の十分性認定は「相互的 mutual」なもので、欧州個人データを欧州から日本へ「without being subject to an 続きを読む GDPRの日本に対する「相互的十分性認定」は実際は「不十分」かつ「片務的」のように見える:個人情報保護委員会のパブコメへの回答から

個人ブログ運営者がGDPR(欧州一般データ保護規則)に大騒ぎしている愚かさ加減

日本語の個人ブログ運用者が、Google Analyticsで閲覧者をトラッキングしているというので、手間をかけてGDPR(EU一般データ保護規則)対応しているが、物事の発生確率について常識的に考えよう。 GDPR違反に制裁金(administrative fines)を課すかどうかはEU各国にある監督機関(supervisory authority)が執行権を持つ。 世界中に無数にある個人ウェブサイトから、あなたのブログを狙い撃ちして、わざわざあなたに英語で少なくない分量の質問書を送信し、状況を詳細に調査し、制裁金を課すべきかどうか、課す場合には金額をいくらにするかを決めるために、あなたと何 続きを読む 個人ブログ運営者がGDPR(欧州一般データ保護規則)に大騒ぎしている愚かさ加減

GDPR十分性認定で欧州在住日本人と日本在住日本人の権利保護に差別がうまれる件

日本が既存の個人情報保護法に追加ガイドラインを定めることでGDPR十分性認定を得る予定になったが、その結果、日本の国内法が日本国民より欧州人を優遇するという結果になる。(欧州人と書いたが正確には国籍を問わずEEA域内に存在する個人) 追加ガイドラインは「EU域内から十分性認定により移転を受けた個人データ」についてのみ追加の取扱いを定めているので、日本国民の個人データにはその追加の取扱いは適用されない。 例えば欧州人の個人データについては、性生活、性的指向又は労働組合に関する情報が含まれる場合、要配慮個人情報の扱いになるが、日本国民の場合はそうならない。 欧州人の個人データについては、外国にある 続きを読む GDPR十分性認定で欧州在住日本人と日本在住日本人の権利保護に差別がうまれる件

EU一般データ保護規則(GDPR)十分性認定の誤解が多すぎる件(更新)

2018/07/17にEU一般データ保護規則(GDPR)について日本を十分性認定したが、まだGDPRの第29条委員会ガイドラインの読込みをやっているブログがあったりする。 こちらの欧州委員会の今回の十分性に関するプレスリリースと、Q&A形式のファクトシートをちゃんと読んでいるんだろうか。 こちらの弁護士法人・三宅法律事務所の記事が見つけた限りでは唯一妥当な解釈をしていると個人的に考えている。 ポイントだけ引用する。 「日本が十分性認定を得れば、EU以外の十分性認定を取得していない第三国に個人データを『再移転』する場合は、GDPRの問題ではなく、日本法(個人情報保護法24条に基づく外国 続きを読む EU一般データ保護規則(GDPR)十分性認定の誤解が多すぎる件(更新)