中国式QRコード決済について(6):「中国QRガー」にだまされないために日本の銀行系「~ペイ」を自習

中国のインターネット決済、主にスマートフォン決済の普及率の高さを手放しで称賛する人々を、5ちゃんねるから言葉を借りて「QRガー」と呼んでいるが、もしかすると日本でのモバイル決済の普及のスピードに追従できていないだけかもしれない。 「中国QRガー」の皆さんは日本に無知すぎるのか 筆者もここ数日ネットで調べて知ったのだが、メディア露出の高いLINE Pay、PayPay、楽天ペイに加えて、大手金融機関も続々スマホアプリによるQRコード決済に進出、個人間送金サービスも始めている。 下記のような日本のQRコード展開状況にまったくふれない「中国QRガー」のみなさんは、わざと無視しているのか、単に知らない 続きを読む 中国式QRコード決済について(6):「中国QRガー」にだまされないために日本の銀行系「~ペイ」を自習

中国式QRコード決済について(5):自ら存在意義を抹殺する中国デジタル社会報告書

「QRガー」に関連して、重大な欠陥のある報告書を見つけてしまった。極めて価値のある内容であるのに、冒頭の第1章で自らその価値を台無しにするという「自殺」報告書だ。 どうして中国テクノロジーを称揚したい方々の先入観はここまで強いのか。 最初に断っておくと、筆者は10年来の中国ガジェット好きである。届いた翌日に電源が入らなくなるクオリティの中華タブレットを数枚購入したことがある。 スマートフォンは、7~8年前、Huawei製でも数時間で交換式バッテリーが切れてしまうような代物だったころから始まり、ZTE製も使ったことがある。最近は劇的にコストパフォーマンスが高くなり、ここ数年、Xiaomi、One 続きを読む 中国式QRコード決済について(5):自ら存在意義を抹殺する中国デジタル社会報告書

中国式QRコード決済について(4):「QRガー」のみなさんには絶望が足りない

ネット上の「中国のQRコード決済すごい!日本でも普及させるべき!」という人々は、日本のQRコード決済利用実態や現金決済主義の現実から目をそむけ、QRコード決済をまだ使っていない人々への訴求力がほぼゼロである点で、完全に空回りしており、見ものとしては面白い。 以下、このような人々を「QRガー」と呼ぶことにする。この名称はすでに5ちゃんねるで使われている。 いかに「QRガー」のみなさんの努力が空回りしているか、下記リンク先の日本でのQRコード決済の実態調査で確認してみたい。IT系でおなじみ、MMD研究所のアンケート調査だ。 PayPayユーザは日本のスマホ所有者の約8.6% 「みんなが一番使ってい 続きを読む 中国式QRコード決済について(4):「QRガー」のみなさんには絶望が足りない

中国式QRコード決済について(3):ネオリベラリズムと思想的独裁は相性がいい

最近気づいたのは、中国のイノベーションを肯定的に評価する論者が、ネオリベラリズムを肯定的に評価する傾向があることだ。 中国に限らずどの国の政府も、現実の政策実行では政府の介入が大きい部分と小さな部分を相互補完的に機能させる。 経済の基盤となっている経済の外部、つまり共同体、個人の思想信条・宗教、社会の慣習など、貨幣に換算しづらい会資源を把握してしまうと、安定した正常な経済自体が成り立たなくなるためだ。 こうした経済の外部にある必ずしも合理的でない社会資源の存在意義を軽視して、ネオリベラリズムに沿って議論を展開すると、意図せずして現実のどこにも存在しないユートピアを記述するはめになる。 ごく普通 続きを読む 中国式QRコード決済について(3):ネオリベラリズムと思想的独裁は相性がいい

中国式QRコード決済について(2):QRコードの快適さと出来たての料理のどちらを取るか

中国のQRコード決済に関する書物についてのツッコミ第2弾はこちら。 『体験の出口を争う日本のキャッシュレス、体験の入口から作る中国のキャッシュレス』(2019/04/04) この記事に書かれているのは中国の二維火という会社の飲食店向け業務システム(ERP)のことで、QRコードが主な機能の業務パッケージではない。 同社は2017年、すでに日本に進出し、記事にあるのと全く同じ業務パッケージを飲食店向けに販売している。 QRFood (2Dファイヤー・ジャパン株式会社) 公式サイトは情報が少なすぎるので社長のインタビュー記事を参照しようと思ったら、リンク切れでGoogleキャッシュしか残っていない。 続きを読む 中国式QRコード決済について(2):QRコードの快適さと出来たての料理のどちらを取るか