月別アーカイブ: 2014年8月

スマートデバイス用メール・予定表閲覧システム開発元Good社とExcitor社の企業規模比較

スマートデバイスを管理したり、スマートデバイスで社内のメール・予定表を閲覧するツールは、最近まとめてEMM(エンタープライズ・モビリティ・マネジメント)と呼ばれるが、世界市場の主力製品はほぼ決まってきている。

AirWatch(VMWareが買収したAirWatch社製品)、MobileIron社製品、MaaS360(IBMが買収したFiberlink社製品)、Good Technology社製品、XenMobile(Citrixが買収したZenprise社製品)などだ。

日本もようやく世界市場の動向に追いつきつつあり、NTTドコモが2014/08/11よりGood Technology社製品の販売を正式に開始している。

Good for Enterprise (ドコモの法人向けサイト)

ただ日本のEMM製品市場がまだまだガラパゴス状態であることには変わりない。実際、日本国内で有力な海外製EMM製品としてDME(Dynamic Mobile Exchange)という製品が販売されており、導入実績もある。

しかし、DMEの開発元のデンマークExcitor社と、例えばNTTドコモが販売開始したGood Technology社の企業規模を比べると、研究開発やマーケティングにかけられる資金規模の差は歴然としている。

両社の損益計算書の数字をかんたんに比較してみよう。

Compare P/L of Excitor A/S with Good Technology

Compare P/L of Excitor A/S with Good Technology

Excitor社は売上高を公開していないので、粗利益(Gross Profit)と純利益(Net Income)で比較してみる。どちらもITベンチャーなので、成長を続けるための研究開発費やマーケティング費用が大きく、純利益はマイナス(純損失)になっている。

Excitor社のデンマーククローネ(DKK)を米ドル換算してGood Technology社と比較すると、粗利益、純利益の規模が約20倍も差があることが分かる。

このようなEMM製品の世界市場の実態を知っているかどうかで、日本企業のEMM製品の選択行動も変わるはずだが、残念ながら日本企業の意思決定者は客観的なデータよりも、人脈経由の情報を信用する傾向にある。

また、日本のIT部門の意思決定は、IT部門自身が根拠となる情報を集めて意思決定するというより、複数のベンダーに情報を持って来させて、もっとも説得力のあるベンダーの意見で決まる場合が多い。

日本企業のIT部門が、自力で情報収集するときの最大の障害になるのは、いうまでもなく英語力がないことだ。これはアジア地域の他の国のIT技術者と比べたときの、日本のIT技術者の最大の弱みである。

情報の客観性よりも、その情報を語る人間との信頼関係を重視するのが、日本企業の意思決定者の特徴で、しかもそこには日本語という壁があるので、ただでさえ「ガラパゴス」な日本企業の意思決定は、ますます「ガラパゴス」化する。

日本企業はたとえ上場企業であっても、特にITの分野でいまこの瞬間も意思決定を誤りつづけている。

日本企業の根幹は高校野球の精神主義

毎週『日経ビジネスオンライン』(会員登録無料)金曜日の小田嶋隆氏のコラムを楽しみにしている。

今週2014/08/22の『女子マネはおにぎりを握るべきか』も秀逸なコラムだった。

『女子マネはおにぎりを握るべきか』(小田嶋隆:日経ビジネスオンライン)

高校野球の「滅私奉公」の精神主義を非難する主旨だ。

「個人的には、甲子園を目指す子どもたちの練習ぶりや必死さを、日本で有数の新聞や放送局が、全社をあげて後援・称揚・美化・推薦している限り、ブラック企業はなくならないと考えている。」

「甲子園の精神主義は、体制の不備や、補給の欠乏や、兵員の貧弱をすべて「精神力」で補おうとした帝国陸軍の精神主義をほとんどそのまま受け継いでいる。」

まったくその通り。

日本企業の集団主義や精神主義、つまり、個人の能力や独創性の軽視、合理性の軽視は、日本人が高校野球大好き点と密接な関わっている。

ただ小田嶋隆氏がこんなコラムを書いたところで、日本企業の集団主義や精神主義が変わるわけではない。日本企業のホワイトカラーの生産性は、たぶん永久にアングロサクソン型企業に追いつかない。

その最大の理由は、日本企業の経営層が高校野球が大好きで、集団主義や精神主義が大好きだからだ。合理性より根性論や一生懸命さが大好きだからだ。

「大好き」というのは感情の問題なので、理屈で説得することはできない。

そうやって日本企業は急速な少子高齢化と若い労働者の激減、外国人を受け入れられない排他性によって、衰退していく。それが日本企業の暗い未来だ。

外国語アレルギーのある日本企業にグローバル化を語る資格はない

海外売上比率が増加し、グローバル化する事業環境に適応しようと努力している日本企業はたくさんある。

しかし、古参の社員がいまだに昭和時代のサラリーマン的な発送から抜け出せていない日本企業もたくさんある。

いちばん重要な点は組織の中の多様性を認められるかどうかだろう。いろんなタイプの社員を許容できるかどうか、それがグローバル化できるかどうかの分かれ目になる。

いまだに昭和時代のように、仕事終わりの「飲みニケーション」や、休日ゴルフで親睦をはかるという時代遅れのやり方で、社員を金太郎飴のように均質な、いかにもサラリーマン的な人間に育てていくような組織は、決してグローバル化に対応できない。

そういった「みんな同じ」「出る杭は打つ」式の社内コミュニケーションからは、異質な人材は排除される。組織内の社員の多様性は否定される。

しかし、グローバル化では、異文化の中で育った海外の同僚と円滑な意思疎通が求められる。

昭和サラリーマン式のコミュニケーションしかできない社員は、異文化で育った海外の社員の文化的背景を理解した上で、現地社員とコミュニケーションをとる能力が欠如している。

グローバル化しつつある組織の中で、外国語をつかうのが適切な場面は増えてくるはずだ。

なのに昭和サラリーマン式の社員は、外国語ができる同僚を妬んで、余計な才能をひけらかす奴という否定的評価しかできない。

会議中に外国語を話す同僚に対して、あからさまに不愉快な顔をすることしかできない。

そういった「ガラパゴス」な古参社員が残っている限り、その組織がまともにグローバル化することなどできないのは当然だ。

外国語アレルギーがあるような組織に、グローバル化を目指す資格はない。言うまでもないことだ。

ただ一般的な日本企業の経営層に、多様性(ダイバーシティ)を基礎とした本当のグローバル化を目標にする能力がなく、海外売上比率の拡大すなわちグローバル化程度の認識しかないのも事実なので、仕方ないといえば仕方ない。

NTTドコモ法人向けサイトにGood for Enterprise登場

NTTドコモの法人向けサイトに、昨日2014/08/11ようやく「Good for Enterprise」紹介ページが登場した。
Good for Enterprise(グッド・フォー・エンタープライズ) (NTTドコモ・ビジネスオンライン)

「Good for Enterprise」は今のところリアルタイムのプッシュメールサービスという点で、ブラックベリーの唯一の代替ソリューションだが、その開発元が日本法人を設立、NTTドコモと販売代理店契約を結んだのが2014/05だった。

「米国MDM大手が日本法人設立、NTTドコモが販売代理店に」 (日経ITPro)

ちなみに米4大携帯キャリア、AT&T、ベライゾン、T-モバイル、スプリントは全て「Good for Enterprise」の販売代理店である。英国最大、世界2位の携帯キャリアのボーダフォンも「Good for Enterprise」の販売代理店だ。

これだけメジャーな製品が普及せず、世界では超マイナーな競合製品の方が売れてしまう日本は、やっぱりガラパゴスと言わざるをえない。

Internet Explorer 8のサポートが2016/01/12終了らしく

これもこの世界におけるより本質的な問題に比べるとどうでもいい話だが、Internet Explorer 8のセキュリティ更新プログラムの提供が2016/01/12で終了になるらしい。(組み込みWindows、POSレジ用Windows上のIE8を除く)

「Microsoft、IE 8のサポートを2016年1月12日に終了へ」 (2014/08/08 09:22 ITmedia)

Internet Explorer 8のサポート期限については、Windows 7と同じ2020年というウワサがひとり歩きしていたらしく、まだまだ余裕があるという通説になっていたのだが、日本時間2014/08/07の米マイクロソフト社の発表でいきなり4年も前倒しになってしまった。

しかもWindows 7でサポートされるInternet Explorerのバージョンは11以降。

今ごろInternet Explorer 8にしか対応しないシステムを稼働している奇特な企業は少ないと思うが、システム改修にかけられる時間は残り1年4か月しかない。設計と動作確認の期間を除くと、プログラム改修に使える時間は実質1年未満と思われる。

以上、どうでもいい話でした。