鬼束ちひろ、最初の3枚と最近の3枚の大きな差異

先日、鬼束ちひろからファンレターの返事をもらったことについて書いた記事を、Twitterでかなり取り上げて頂いているようだ。 受け取った本人の感想を改めて書いておくと、「鬼束ちひろって、やっぱり性格がかわいい人だ」の一言に尽きる。あの返事を怪文書と評価するのは、センスを疑う。 それはどうでもいいとして、鬼束ちひろのニューアルバム『剣と楓』、ジャケットが彼女の妹直筆の筆文字で、演歌風ということもあり、「聴かず嫌い」の扱いをうけているような気がする。 HootSuiteで「鬼束ちひろ」をキーワードに検索したTwitterのタイムラインを作って、たまにのぞいているとそんな感じがする。 これまでのアル 続きを読む 鬼束ちひろ、最初の3枚と最近の3枚の大きな差異

鬼束ちひろ『剣と楓』レビュー(2)なぜ「青い鳥」が1曲目なのか

鬼束ちひろ『剣と楓』について、わかったような気分になれるレビューを、数回に分けて書いてみるシリーズ。 今回からは、歌詞について。 鬼束ちひろ自身がつねづね、曲を作るとき歌詞を先に書くと語っているように、彼女の曲にとって言うまでもなく歌詞は最重要。 ただし彼女は歌詞をいったん書いてしまうと、どういう意味なのか深く考えることはしない、とも言っている。鬼束ちひろの作詞についての考え方は、自伝エッセイ『月の破片』p.179~p.184で、彼女自身が詳細に解説しているので、必読。 ここで歌詞を分析するのは、鬼束ちひろ自身の意図をさぐろうというのではなく、解釈の可能性を示したいだけであることに注意。 まず 続きを読む 鬼束ちひろ『剣と楓』レビュー(2)なぜ「青い鳥」が1曲目なのか

鬼束ちひろ『剣と楓』レビュー(1)曲順の緻密な構成

鬼束ちひろ『剣と楓』について、わかったような気分になれるレビューを、数回に分けて書いてみたい。 まずアルバムの収録曲の構成を見てみる。 1. 青い鳥 2. 夢かも知れない 3. EVER AFTER 4. IRIS 5. 僕を忘れないで 6. An Fhideag Airgid 7. SUNNY ROSE 8. NEW AGE STRANGER 9. CANDY GIRL 10. 罪の向こう 銀の幕 11. WANNA BE A HAPPY WARRIOR 12. 琥珀の雪 鬼束ちひろ本人が「鬼束節」と名づけ、アルバムの最初と最後にしたかったというバラード2曲が、「青い鳥」と「琥珀の雪」だ。 続きを読む 鬼束ちひろ『剣と楓』レビュー(1)曲順の緻密な構成

鬼束ちひろからファンレターの返事がとどいた

鬼束ちひろの公式サイトに、「ファンレター送ってね!返事書くよ!」とあったので、中学生以来で芸能人にファンレターを書いてみた。 そしたら、早速今日、返事が届いた。同封した返信用便箋と返信用封筒に入っていたのは、以下の写真のもの。 「なきにしも荒川」と書かれた便箋と、鬼束ちひろが作ったらしい意味不明の小物。 いちおう小さな星型のキャンドルで、黄色い方には「SICK」とマジックで書いたセロテープが貼られており、カラフルなカールコードに挿し込まれていた。 ピンク色の星型のミニキャンドルには「DEAD」とマジックで書かれたセロテープが貼られていた。 たぶん封に入れたときは、どちらもカールコードに挿し込ま 続きを読む 鬼束ちひろからファンレターの返事がとどいた

鬼束ちひろの音楽から失われたもの

鬼束ちひろの『剣と楓』について、あえて、鬼束ちひろの音楽から何が失われたのか?を考えてみた。 たぶん、不自由さだろう。 自伝エッセー『月の破片』によれば、鬼束ちひろは高校時代にJewelを聴いて、ミュージシャンになるんだと否応なしに思ったとある。 「私も曲を書かなくちゃ! アルバムを聴いて、すぐにそう思った。『書こうかな』とか『書いてみたい』などというような、夢見心地な思いつきではなかった。書けるかどうかという、迷いすら思い浮かばないほど」(『月の破片』p.174) 高二の鬼束ちひろにそこまで思わせたのは、それまでずっと、学校の集団生活にどうしても適応できない自分を感じていたからだ。 「たとえ 続きを読む 鬼束ちひろの音楽から失われたもの