月別アーカイブ: 2010年12月

SHARP、GALAPAGOSが海外展開するというアホらしさ

GALAPAGOS、SHARPの電子書籍端末だが、海外展開などというバカげたことを、また言い出している。
『シャープ:「ガラパゴス」海外展開へ…米、中、印などで』(2010/12/30 02:30毎日新聞)
シャープのガラパゴスのマーケティング担当部署には、一体どれだけ状況分析力の欠如した人間ばかりそろっているんだろうか。
米国で発売するものには、海外で主流のEPUB形式を追加採用し、米国の消費者にアピールするというが、アマゾン(Amazon)のキンドル(Kindle)がそこそこ普及している米国では何の差別化にもなりゃしない。
それにキンドル(Kindle)は、すでにPC用やiPhone用、Android端末用のソフトウェア製品も提供されている。つまり、どんな端末でも使える、普遍的な電子書籍の閲覧環境になっているのだ。
そんなキンドル(Kindle)が普及しているところへ、機器に依存した閲覧ソフト搭載のGALAPAGOSを持って行っても、売れるわけがなかろう。
シャープのGALAPAGOSのマーケティング部隊は、そんな簡単なことさえ事前に予測できないほど無能なのだろうか。
最低限、GALAPAGOS端末のAndroid OSを、機器依存の仕様ではなく、通常のオープンな仕様に変更してから海外販売すべきではないか。
Androidマーケットで自由にアプリを追加することさえできず、かつ、端末依存の書籍閲覧アプリしか搭載されていないGALAPAGOSが、海外で売れるという「妄想」は一体どこから出てきたのか。
これだけ日本国内で大々的に発表してしまった手前、メンツがあってもう後には引けないので、あと先考えずに海外市場へ捨て身の特攻をするしかないということか。
つくづく海外の第一線でGALAPAGOS端末を売らされるシャープの営業部隊の皆さんには、ご同情申し上げる。
技術力はあるのに販売戦略がムチャクチャ。シャープ(SHARP)の電子書籍端末GALAPAGOS(ガラパゴス)の迷走ぶりは、日本のデバイスが韓国や台湾勢に勝てない理由が、典型的に見て取れる事例だろう。
*2011/09/15 追記:
僕の予想どおり、このシャープの電子書籍端末「ガラパゴス」は2011/09/15に販売終了が正式アナウンスされた。こちらがシャープの「お知らせ」ページ。もう少し頭を使えばムダな投資をせずにすんだと思うのだが。
>>「シャープの電子書籍端末『ガラパゴス』は完全にバカげている」(2010/09/28)
>>「続・シャープの電子書籍端末『ガラパゴス』は完全にバカげている」(2010/12/14)
>>「SHARP、GALAPAGOSをインドやアフリカの電子教科書に!?」(2011/01/03)
>>「電子書籍なんて、やめてしまえばいい」(2011/01/25)
>>「著作権保護つき電子書籍の普及は、弱者から本を奪う」(2011/02/02)
>>「電子書籍端末って、一体だれが、どこで使うの?」(2011/02/04)

Androidに無知なライターが書いたIT Mediaの「GALAXY S」評価記事

Android OSの認知度はまだまだらしい。IT Media +D mobileのサイトに、とんでもない「GALAXY S」ロードテスト記事を見つけてしまった。
「第1回 iPhoneとは似て非なる?――「GALAXY S」のホーム/メニュー画面を試す」(2010/12/28)
NTTドコモのAndroid端末「GALAXY S」のホーム画面とメニュー画面を、iPhoneと比較するという記事なのだが、書いている人間のAndroid知識不足が、とんでもないレベルの低さなのだ。
たとえば、ホーム画面で利用できる画面数は最大7ページ、「DELL Steak 001DL」には各ページアイコンに触れながら指をスライドさせるとページが移動する機能があるが、「GALAXY S」にはない、アプリのアイコンが4かけるで表示されるのはiPhoneと全く同じ、などなど。
そもそも、Android端末って、初期状態でインストールされているメニュー画面を、自分の好きなメニュー画面(いわゆるローンチャー・アプリ)に入れ替えられるところが便利なのだ。
このロードテスト記事の筆者は、そのことに全く触れないまま、DELL SteakやGALAPAGOS 003SH、GALAXY Tabなど、他のAndroid端末と、GALAXY Sを比較している。
4×4よりもっとたくさんアイコンを表示したければ、Zeam Launcherなどをインストールして、Preferencesから、タテ、ヨコそれぞれに表示したい列数、行数を任意に設定すればいい。それだけの話だ。
自分の好みのローンチャー・アプリをインストールしさえすれば、どんなAndroid端末でも共通したホーム画面/メニュー画面の操作感が得られる。
そんな知識さえない状態で、Android端末のロードテスト記事など書かないでほしいのだけれど。まったく。

J-SOX法は真っ昼間に電源を落とすドロボウを想定しろと言う(2)

昨日の内部統制についての記事にご指摘を頂いたので、ここで返答させて頂きたい。ご指摘は次のとおり。
夜間にシステムを止めてプログラム更新をかける運用なら、ひそかに不正なプログラムを忍び込ませることができるので、統制活動には一定の意味がある、というものだ。
確かにこの方のおっしゃるとおりなのだが、不正なプログラムを書く技術があり、かつ、システム運用のすきをうかがってプログラム更新をかける技術もある要員がいたとする。
そこまでの技術力のある要員なら、既存の統制活動に引っかからないように不正をするはずだ。逆にそこまで技術力がない要員は、そもそも不正などできない。
つまり、あらゆる統制活動は、その業務に精通した従業員にとっては実質的な不正防止の効果がなく、単なる牽制としてしか働かない。
ところで会社員にとって最も強力な牽制とは、「不正をしたらクビにするぞ!」という就業規則だ。
実質的な効果が牽制でしかない内部統制の評価項目は、すべて就業規則の前では無力なのである。
なぜなら、米国と違って日本の労働力は流動性がとても低いので、不正でクビにされたら、ウラでお目こぼしでもない限り再就職がきわめて難しいからだ。
実質的に牽制効果しかない評価項目をいくつも考えだし、その評価に毎年多大な労力をかけるのは、大いなる茶番と言える。もっとも、会社員の仕事の過半は、大いなる茶番なのだが。
茶番があるからこそ、業務効率の低下と引き換えに、日本のホワイトカラーの雇用が守られており、内部統制にしても、この制度が導入されたおかげで、クビがつながっているホワイトカラーがたくさんいるわけだ。

J-SOX法は真っ昼間に電源を落とすドロボウを想定しろと言う(1)

最近ふと、日本版SOX法の内部統制って、誰のための制度なのだろうと思う。
たとえばIT全般統制に、職務分掌上、基幹システムの本番環境のプログラムを更新する権限がない要員が、システム上もそうできないような統制活動が行われているか?という項目がある。
基幹システムの本番環境のプログラムを更新しようと思えば、ふつう少なくともその部分のプログラムをいったん停止する必要がある。
そのプログラムが重要なものであればあるほど、日常業務で使っている基幹システムの機能がいきなり停止すれば、社内が大騒ぎになるはずだ。
そこまでして本番環境のプログラムを更新する不正を犯すなんて、直接的な言い方をすれば単なるバカだ。
たとえて言えば、真っ昼間に会社にドロボウに入って、捕まらないようにとオフィスの電源を落としてからドロボウするのと同じくらいバカな行為である。
オフィスの電源が落ちれば、社内は大騒ぎになる。
日本版SOX法の内部統制は、こんな大バカ者が社内にいる可能性まで、経営者は「リスク」として認識しなさいという、よくよく考えるとおかしくて笑っちゃう制度なのだ。
内部統制うんぬん以前に、そんなバカげたことをしでかせば、ふつうは会社の就業規則にもとづいてクビになる。
内部統制の評価項目のうち、基幹システムをいきなり止めるといったような、悪意による破壊的行為を「リスク」として認識するよう求めている項目は、すべて「当該行為は就業規則で懲戒の対象と定めている」と、統制活動に記入すれば十分なはずだ。
むしろ統制活動としては、上述の例でいえば、IT業者に金を払ってセキュリティを高める投資をするより、就業規則で「クビにするぞ!」と脅しておく方が、経営者から見たときのリスク低減効果は確実に高い。
というのは、ご承知のように、日本はいったん正社員を懲戒処分でクビになると、かたぎの商売への再就職がほぼ不可能な社会だからだ。懲戒処分を統制活動と見なす方が、リスク低減効果は高いに決まっている。
なのに、内部統制という制度は、わざわざ懲戒より効果の低い統制活動を行うよう、企業の経営者を指導している。
内部統制の運用基準を考えたお役人は、結局、監査法人とIT業者の利益しか考えていないのだろう。

私的録画補償金は著作権者の「ゆすり・たかり」?

ご承知のように、DVDレコーダーの著作権料をめぐる裁判で、東京地裁の判決が出て、東芝側が勝訴した。
『私的録画補償金:「支払い法的義務なし」東芝への請求棄却』(毎日新聞)
私的録画補償金管理協会は控訴するらしいが、彼らの主張は完全におかしい。
もともと著作権法では、私的録音・私的録画は許されている。しかしデジタル機器の登場で私的に録画・録音したものが、オリジナルとほぼ同じ品質で流通してしまうリスクが出てきた。
そこで著作権者とメーカーは、コピー回数を制限するダビング10などの技術を取り入れた。消費者に私的録音・私的録画の余地を残した上で、著作権者の権利も保護するためだ。
ダビング10などの技術をデジタル録画機器に付け加えるための開発費用や、製造費用は、メーカーが負担し、消費者に市場価格を通じて転嫁されている。
メーカーと消費者側は、すでに著作権者の主張をのんでいるのだから、お話はここで終わりのはずだ。
ところが強欲な著作権者は、それだけでは飽き足りないらしい。
「ダビング10」などのコピー回数を制限する機能を追加したことで、話は終わっているはずなのに、著作権者側は、それらのデジタル機器について、メーカーに追加で「罰金」を払わせるべく、私的録画補償金という制度を発明した。
そして、私的録画補償金を支払わない東芝を訴えた。
社団法人・私的録画補償金管理協会という団体がやっていることは、ほぼ「ゆすり・たかり」の類だ。コピー制限機能をつけることで、いったん話はついているはずなのに、まだ金銭を要求しているのだから。
いや、そもそも著作権者側のみなさんは「興行」の世界とつながりが強く、一般市民のような「かたぎ」ではない。だから、メーカーや消費者に言いがかりをつけて金銭を「ゆする」のは仕方ない。
控訴審の判決がどうなるか分からないが、日本の消費者は、そもそも著作権者のみなさんは「かたぎ」ではないので、デジタル録画機器1台あたり数百円程度の小遣い銭は、あきらめて「ゆすられる」しかないのかもしれない。