月別アーカイブ: 2008年10月

素朴な啓蒙主義者の喜劇的生き方

素朴な啓蒙主義者はかなり始末が悪い。自分だけは分かっている。周りは分かっていない。だから周りを教育してやらなければいけない。そう思い込んでいる。
結果、同調圧力の強い日本のサラリーマン社会では反発を招く。すると、正論を言うと受け入れられないと悲劇のヒーローを気どり、ますます素朴な啓蒙主義者としての立場にのめりこむ。
そのくせ、足元にあるやるべき小さな仕事はバカにしてやらない。ますます周囲の反発を招く。そして、そういった状況の全体を理解していない。自分は分かっている。悪いのは分かっていない他人だと思い続ける。
今、僕の身近にはこういう素朴な啓蒙主義者が一人いる。正直言ってはたから見ていると喜劇にしか見えない。
僕は幸い東京大学で、自分よりはるかに優秀な人間にたくさん出会って、「こいつらにはどうあがいてもかなわない」と思い知らされたので、自分だけが分かっていると思い込むほどバカではない。
その代わり、何も分からない、分かりっこないという相対主義に絶望するハメになる。
素朴な啓蒙主義で悲劇のヒーローぶるインテリ北米人的な生き方ができれば、確かに今よりは幸福かもしれない。
しかし、いったん素朴な啓蒙主義の向こう側へ、一線を踏み越えてしまった僕が、素朴な啓蒙主義にもどることは、脳が物理的なダメージでも受けない限り不可能なのだ。
一線を踏み越えたのは、望ましいことだったのか、望ましくないことだったのか。

C-POPは別の売り方があるのでは?

BS日テレの『C-POP World 恋しチャイナ』の放送時間が変わって、個人的には見づらくなってしまった。ただ、最近は徐姉妹(大S・小S)の『大小愛吃』も放送されなくなり、ほとんど飛輪海とF4の話題ばかりたったので、どうでもいい。
しかし、いくら飛輪海やF4を売り出したところで、日本語の堪能なK-POPの東方神起に勝てっこないので、ファン層として重なる女性向けにC-POPの男性アーティストばかり売り出す意味が良く分からない。
他方、かわいい女の子にはとりあえず反応してくれるオタク層は厚いのだから、avexのalanにならって、とにかくルックス重視で女性アーティストを根気良くPUSHしていく方が、はるかに勝算はあると思うのだが。
alanだけでなく、グラビア・アイドル系ではあるが、ローラ・チャンは一定の成功を収めているし、地上波の深夜帯で、ビビアン・スーあたりをレギュラーに、台湾のかわいい系の女性タレントやアーティストを紹介する番組をやれば、そこそこファンは付くような気がするのだが。
いずれにせよC-POPの男性アーティストは、正直言って日本人好みのルックスかどうか、という点では韓流に劣るので、無駄な努力は止めたほうがいい。
...なんて下らない記事なんだろう。

この世界って、何て醜いんだろう

この世界って、何て醜いんだろう。
昨日、押井守監督の『スカイ・クロラ』製作過程を追ったドキュメンタリーが放送されていて、その中で押井守監督が同作品は、初めての試写会を行った横浜国立大学の上映後の講演で、大学生たちに、人生って基本的につらいものだけど、そんなに悪くないんだぜってことを伝えたかった、と話していた。
それはあなたが映画監督として成功したから言えることでしょ。とツッコミを入れたくなった大学生は多かったはずだ。
映画監督のような著名人とは言わないまでも、自分の希望とかけ離れた人生を歩まざるを得ない人間が山ほどいる中で、映画監督にとって人生が「そんなに悪くない」程度のものなら、自分の希望とかけ離れた人生を歩んでいる人にとっての人生は、ただただ醜いものに違いない。
昨年自分が辞めた会社に、自分が辞めた一因を捨て台詞にして退職したはずの人間が舞いもどっている事実を知り、改めてこの世界の醜さを思い知らされた。実に醜い。耐え難い醜さだ。
僕が醜いのではない。世界が醜いのだ。ただ、世界が醜い理由は、世界そのものが醜いからではなく、僕の理想が高すぎて、単に醜く見えているだけかもしれない。
しかし、理想が高いことの、一体何が悪いのか?
自分の信じる理想に背かないためなら、いっそのこと醜い世界を捨てるのも選択肢の一つだ。

以前勤めていた会社のWebサイトが

今となってはどうでもいいことだが、以前勤めていた会社のWebサイトの動的コンテンツの開発言語が、いつの間にかASP.NETからPHPに変わっている。
文字コードがEUCになったのはおそらくWindowsからLinuxサーバに置換したのだろうが、今さらEUC?という気がする。基幹システムがWindowsベースなら、そのうちunicodeになるのは間違いない。ユーザ登録データを基幹システムに連携するとき、文字化けをゼロにできているのだろうか。
ページデザインはほとんど変わっていないのに、多大な労力をかけてわざわざLinuxにする理由がどこにあったのか理解に苦しむ。
また、あるキーワード(これを書くとどういう会社に勤めていたかバレてしまうので書けない)で検索したページランクもすっかり落ちているが、検索エンジン最適化をやめたのだろうか。
しかも登録フォームに、入力された情報はSSL暗号化通信により守られますと書いてあるのに、URLがhttpsになっていないではないか。プライバシーマーク取得企業のWebサイトでこんなことがあっていいのか。
システム管理の基本的なレベルが、僕が在籍したときに比べて確実に落ちている。
しかも基幹システムの開発元システム会社のWebサイトに、導入事例として、辞めたはずの社員とそのシステム会社社長の対談まで掲載されている。
対談内容はそのシステム会社の礼賛ばかり。完全にやらせではないか。まさか、一度辞めた社員が復帰して、あの基幹システムを継続利用することになったということか。
本当にそうなら、むしろ辞めて良かった。やはりその程度の会社だったということだ。

急患受入れ拒否で妊婦死亡も国民の自業自得

医療が充実していると言われた東京都内でも、ついに急患受け入れ拒否で妊婦が死亡したというニュース。根本的な原因は産科勤務医の絶対的な不足で、短期的な解決策はないとのこと。
産科に限らず、全般的に大病院の勤務医が不足しているという。
何の裏づけもない推測だが、そもそも医者になるための高額な学費を負担できる裕福な家庭の子女が、合理的な判断をするようになっただけではないのか?
つまり、親の後を継いで開業医になったり、歯科医など開業医として成立しやすい科で開業するなら医者になるが、大病院の勤務医では激務に見合う報酬が得られないので、他の職業を選択するようになった、というだけのことではないか。
単純化して言えば、所得格差の固定化によって、医者の子供しか医者になるための学費を負担できないのに、医者の子供は医者になる経済的合理性がなくなった、ということだ。
もし政府が本気で大病院の勤務医を増やしたいなら、低所得世帯の子女が医学部に進学する場合に、学費を全額国が負担するとか、一部負担して医師免許を取得した後に、全額還付するなどの政策はどうだろうか。
ただ、それでも、医学部のある大学に進学するには、予備校に通う費用がかかるので、その部分の補助までやらないと、「医者になりたい」と思う子供を低所得世帯にまで広げることにならないが、予備校の費用まで国が負担するのは明らかに公正さを欠く。
かといって、勤務医の待遇を改善して、裕福な家庭の子女にも勤務医になる動機付けを与えれば、医療費が高くなり、国家か患者、どちらかの医療費負担が確実に増える。
こういう状況も、セーフティーネットのない新自由主義政策という、政策的失敗の一つの帰結だろう。
国民一人ひとりは、国家の設計した制度の下で、経済合理性のある選択をしているだけで、その結果が勤務医の絶対的な不足である。一義的な原因は、やはり国家による制度設計のまずさだ。
耐震偽装と建築基準法厳格化による官製不況、汚染米が食用米として流通した問題も、どちらも官僚による制度設計のまずさ。
そしてまずい制度を設計している官僚たちも、非効率的な国会運営のあおりを食って、信じられないほど非効率的な長時間労働を強いられている。付け焼刃的な制度改正しかできないもの仕方ない。
どうやら短期的な解決だけでなく、中期的な解決も望めそうにない。
とりあえずは、自民党の一党支配が長期化したために、議会が官僚をコントロールするのでなく、逆に官僚が議会をコントロールしてしまっている現状を変えるために、定期的な政権交代を定着させる有権者の行動が必要ではないか。
つまり、民主党だって当てにならないかもしれないけれど、自民党の他に民主党しか選択肢がないのだから、自民・民主の二大政党制を実現するところから始めるしかないのではないか。
そういう変化がイヤで、自民党の長期安定政権の方が良いというなら、急患受け入れ拒否で今後100人死のうが、業者と農水省が癒着して汚染米が食用として流通しようが、それは国民が自分で選んだ結果で、「自業自得」ということだ。