流行を追うことが時代遅れな現代

キャンディーズについての記事が多いのをお読みになって、もしかすると読者の中には、過去への郷愁にひたっている僕の甘さを批判したくなる方がいらっしゃるかもしれない。 しかし、ご注意いただきたいのは、僕はリアルタイムでキャンディーズの全盛期を体験したわけではないということだ。むしろ今、キャンディーズというアイドルグループを再発見している、と言った方が正確だ。 最近、米国アーサーS.デモス財団が無償で配布している「パワー・フォー・リビング」という冊子のテレビCMに登場している(枕詞が長くて申し訳ない)久保田早紀についても同じことが言える。『異邦人』が大ヒットしたとき、僕はまだ10歳にもなっていない。『 続きを読む 流行を追うことが時代遅れな現代

刑事裁判への被害者参加でますます「えん罪」増加懸念

法務相の諮問機関で、犯罪被害者が刑事裁判に参加し、被告や証人に質問したり、求刑に意見を述べられるようにする「被害者参加精度」を導入する要綱をまとめたようだ。 日本経済新聞の朝刊によれば、ドイツ、フランスには同様の制度があり、米国では求刑に意見を述べる制度だけ存在するという。 しかし刑事裁判の有罪率99.9%で、「疑わしきは罰する」、「十のえん罪を出すとも、一人の犯罪者も逃すなかれ」の日本で、被害者が刑事裁判に参加すれば、ますます「えん罪」が増えるのではないか。 被害者感情を考えるなら、とくに重い犯罪について、終身刑の導入など、刑法の量刑を見直すのが、近代司法制度としては本筋だろう。米国はその前 続きを読む 刑事裁判への被害者参加でますます「えん罪」増加懸念

不二家の不祥事に便乗する食品メーカ

不二家の賞味期限切れ原料使用の不祥事が明らかになった直後、さまざまな食品メーカが続々と同じような品質管理上の問題を発表した。これらの食品メーカにとって、不二家という大事件のかげに隠れて目立たない今は、自らの膿を出してしまう絶好の機会だったわけだ。もし不二家の一件がなければ、これらの食品メーカが問題を発表することはなかっただろう。 民間企業の経営者の倫理観というのは、この程度のものだ。そしてそういう非倫理的な組織に労働力という商品を売らなければ生きていけないのが、サラリーマンという職業である。

女性を「出産する機械」に例えた柳沢厚労相

毎日新聞によると2007/01/27、柳澤厚生労働相は松江市の自民党県議会議員集会で「15から50歳の女性の数は決まっている。生む機械、装置の数は決まっているから、機械と言うのは何だけど、あとは一人頭で頑張ってもらうしかないと思う」などと述べたという。 Yahoo!JAPANニュース:「柳沢厚労相 女性を「出産する機械」とも例える発言」 女性が「出産機械」なら、男性は「労働機械」兼「種付け機械」といったところか。国家にとっては国民も石油や水と同じ資源(リソース)の一つに過ぎないという、柳澤厚生労働相のきわめて合理的な発想が、それ自体「善」か「悪」かはかんたんに決められない。 少子化の一因が、男 続きを読む 女性を「出産する機械」に例えた柳沢厚労相

廣松渉『今こそマルクスを読み返す』

廣松渉著『今こそマルクスを読み返す』(講談社現代新書)を読んだ。「廣松渉の著書は難解」という予断を裏切り、とてもわかりやすいマルクス思想入門書、かつ、廣松渉その人の思想の入門書になっている。 ソ連邦が崩壊したからといって、西欧思想史上、マルクスの思想を無視してよいことにはならない。むしろ『資本論』をまともに読んだことのない僕にとって、マルクスの思想の理解はまだ取り組むべき課題として残っている。(「一介のサラリーマン」がそんなことを課題にする必要があるのかは別として) 本書はソ連邦崩壊後に書かれているので、廣松渉自身、世間一般の風潮が「マルクスは死んだ」という考え方になってしまっていることを十分 続きを読む 廣松渉『今こそマルクスを読み返す』