月別アーカイブ: 2006年6月

『ゲッターロボ』と『ザンボット3』比較論

『無敵超人ザンボット3』だけを観たのでは、同時代の合体ロボットものアニメの中での位置づけが理解しにくいので『ゲッターロボ』も観てみた。こちらも僕が子供のころリアルタイムで熱中していたテレビアニメで、ご承知のとおり永井豪原作である。
どちらも3つの機体が1台のロボットに合体する点で共通だが、『ゲッターロボ』はどの機体が頭になるかで3種類の合体パターンがある点がユニークだ。
両者の明らかな違いは、やはり一般人の描かれ方だろう。敵方のロボットが船を沈没させたり街を破壊するとき、『ゲッターロボ』ではいかにも漫画的に船やビルが視覚的にきれいに破壊され、その内部に生きた人間が存在することはまったく示唆されない。『ウルトラマン』が市街地でいくら怪獣と戦っても、倒壊したビルの下敷きになって死ぬ人が描かれないのと同じお約束にのっとっている。
対して『ザンボット3』は多くの一般市民が戦争に巻き込まれて死んでいく事実を表立って描写している点で、やはり画期的な合体ロボットもので、この点だけでもお子様向けロボットアニメの枠から大きく踏み出している。
さらに登場人物の造形も両者では大きく異なっている。ゲッターロボを操縦する3人の性格は一人ずつステレオタイプ化されており、本来一人の人間が持つさまざまな性格を、3つの人格に分割して描いている。
他方、ザンボット3を操縦する3人は、それぞれが矛盾する側面を内包した人格として描かれている。たしかに描写は神勝平に偏っており、残りの2人、宇宙太や恵子の描写は不十分だが、勝平は自分の信じる正義と一般市民の信じる平和の不一致に葛藤し、恵子は両親のもとで平穏な生活を送りたいという気持ちと、地球を守るために戦わなければならないという気持ちに悩んでいる。
『ゲッターロボ』では、より強力になっていく敵を倒し、3人がロボットの操縦により習熟し、力強くなっていく過程が物語になっているのに対し、『ザンボット3』ではそれだけでなく、一人ひとりの内面的な葛藤が解決していく過程も物語をひっぱる強い力になっている。
『ゲッターロボ』がお約束にのっとった徹底して表層的で様式的な「合体ロボットもの」であるのに対し、『ザンボット3』にとっての「合体ロボットもの」という形式は、主人公の内面的葛藤とその解決を通じた少年の成長を描くために借りた、単なる手段ではないかと思えるほどだ。
どちらが優れているということはなく、現代に至るまで日本のアニメの多数派は『ゲッターロボ』型で、『ザンボット3』は少数派と言えるのではないか。

DominoエージェントでMySQLのLOAD DATAを実行

下記のようなことを仕事でやっているSEは日本に僕一人しかいないと思うが、万が一同じ問題でつまずいているSEがいたときのために、検索エンジンに引っかかるように記しておく。
Lotus DominoのLotus Scriptで記述したエージェント内で、ADODB経由でドミノとは別サーバのMySQLに接続し、「LOAD DATA」コマンドをADODB.ConnectionオブジェクトのExecuteメソッドで発行したときの問題だ。ポイントは、ドミノとMySQLが別サーバであるという点。
Call oConn.Execute(“LOAD DATA INFILE ‘MySQLServerD$datafile.csv’ (以下略)”)
このような行を含むエージェントを、手元のパソコンのノーツ・クライアントで実行すると、正常に実行され、MySQLのテーブルにテキストファイルの内容が一括読込みされる。
ところが、この全く同じエージェントをスケジューリングして、ドミノサーバ上で定時起動すると、「LOAD DATA」コマンドを発行する行でエラーになって停止する。Dominoのログデータベースに書き出されるメッセージは「OLE: 自動オブジェクトのエラーです」だ。
ノーツ・クライアントを使ってローカルでは問題なく実行できるエージェントが、サーバ上で起動するとエラーになることから考えると、これはドミノのエージェントのセキュリティ制限によるエラーと考えられる。
もちろんこのエージェントのプロパティで、実行権限は最高(セキュリティレベルとしては最低)の「3」に設定してあるのだが、それでも、ドミノサーバとは別サーバであるMySQLサーバ上のファイルを読込むような処理を、その別サーバに対して実行するように命令するのは、Dominoのセキュリティ上不可能と思われる。
その証拠に、読込み対象のファイルをドミノサーバ上にコピーし、ドミノサーバにMySQLサーバへODBC接続する環境を導入してから実行したところ、同じエージェントが問題なく定時起動できるようになった。
注意したいのは、最終的にロードされる先のMySQLは依然としてドミノとは別サーバなのに、ロード対象のテキストファイルが、MySQLサーバ上に存在すればエラーとなり、エージェントが実行されているドミノサーバ上に存在すればエラーにならないということだ。
以上、さて何人の方のお役に立つか...。

Fedora Core 5で読者から助言

Fedora Core 5のインストールトラブルについて書いたところ、早速ある読者の方から、Fedora CoreはRed Hatのベータ版の位置づけなので顧客に提供する環境には使ってはいけないと言われたことがある、というメールを頂いた。
毎日CVSでパッチを追いかけているような人でなければ利用するのは厳しく、ドライバも完全に動作しないものがかなりあるということだ。こんな半製品を大部の解説書つきで、いかにもWindowsユーザ向けの入門用Linuxみたいな触れ込みで売り出す出版社は詐欺同然だ。
この読者のお勧めはCentOSやKnoppixといったディストリビューションとのことだ。
僕はといえば、Fedora Core 5を削除して、近所の図書館で借りてきたRed Hat Linux 9の解説書付録のPublisher版をインストールしてみた。GNOMEもネットワークカードもモニターも完全に動作する。ただ、解説書が初心者向けにGUI中心の記述になっているので、やはりCentOSに乗り換えようかと考えている。

Fedora Core 5 デフォルトゲートウェイ接続不能

手持ちのSOTEC製のノートPCに、Fedora Core 5をインストールしようとしたら、そもそもインストールがテキストモードでしかできない。インストールが完了しても、やはりテキストモードでしか起動しない。モニターのエラーでXウィンドウが起動しないのだ。/etc/X11/xorg.confファイルのDefaultDepthや、Subsection “Display”のDepthを変更してもダメ。
Googleでビデオカードの「VT8378」という型名を手がかりに検索していたら、唯一、Linux関連情報で見つかったのが富士通の下記のページだった。
http://www.fmworld.net/biz/fmv/annc/linux/05_Summer/XConfig/x_esp_c5100.html
このXF86Configファイルにある数値にあわせて、Section “Monitor”のHorizSyncとVertRefreshの数値を変更してから、startxコマンドを入力したら、無事、GNOMEが起動した。
安心したのもつかの間、カタカナは正常に表示されるが、漢字の部分がすべて、正方形の枠の中に文字コードとおぼしき4桁の16進数が2桁×2行で表示されて、日本語としてまったく読めないのだ。
たぶん日本語フォントが正しくインストールされていないと思われるので、GNOMEの言語を英語に切り替えて再起動、Firefoxでインターネットに接続しようと思ったら、接続できない。pingで確認すると、手持ちのデスクトップパソコンからはつながるデフォルトゲートウェイに接続できない。
仕方なくDHCPではなく、手動でデフォルトゲートウェイと同じサブネットマスクのIPアドレスを付与して再起動するも、デフォルトゲートウェイにpingさえ通じない。
しかし奇妙な現象に気づいた。手持ちのデスクトップパソコンから、Fedora CoreをインストールしたノートPCへpingを飛ばし続けると、Fedora Coreの起動中、テキストモードの間だけはpingが通り、Xウィンドウが起動すると同時にpingが通らなくなる。
Fedora Coreは初期状態でファイアウォール機能が有効になっているので、これを無効にすればいいのかと思いきや、icmpとは無関係のようで、無効にしてもデフォルトゲートウェイにpingが通らない。SELinuxの設定も無関係。
仕方ないので、当分テキストモードで使うことにする。テキストモードからstartxでXウィンドウを起動すると、やはりpingが通じなくなり、ログアウトしてテキストモードに戻ってservice network restartすると、再びpingが通じるようになる。このXウィンドウの嫌がらせは何なのだろうか。
Linuxコミュニティーは一体いつになったら、一発でインストールできるディストリビューションをWindowsユーザに提供してくれるのだろうか。ちなみにインストールしようとしているノートPCはSOTEC AL7180A。まだあきらめるつもりはないが、4年ぶりのLinuxインストール挑戦は再び失敗してしまった。

一情報処理研究者のグーグル評

先日、近しい人からグーグルの検索エンジンについて、情報処理の研究者たちの間での率直な評価というものを聞くことができた。例の「ページランク」という検索アルゴリズムは、学術的にはすでにたいしたことはない、陳腐なものらしい。
研究者たちをうならせているのは、むしろ、大規模なサーバ群を、検索結果の整合性や一貫性をそこなわないように、安定稼動させている、その技術の方だという。
ここでもやはり梅田望夫氏の書いている「情報発電所」説が、単なる誇大広告であることがよくわかる。グーグルの検索エンジンは、決して世界中のWebサイトに書かれていることを「理解」している「神の視点」ではない。技術的には陳腐なしくみなのだ。
その近しい人は、グーグルに優秀な情報処理研究者が就職していることを否定はしなかったが、きっと彼らの才能は、ビジネスとして検索エンジンを安定稼動させることや、機能追加していくことに注がれているのであって、グーグルをSF映画に出てくるような、人工知能としての「ビッグ・ブラザー」にすることに注がれているわけではないのだろう。