月別アーカイブ: 2005年10月

サンボマスターとELO

■最近は趣味らしい趣味といえばギターを弾き語りすることくらいしかなくなった。英語以外の新たな語学の勉強は「で、勉強して何になるの」という内なる声が聞こえてくるので手につかない。
それでも楽譜を読み込んだり、楽譜なしに、曲から和音を拾ったりして、新しい歌を歌えるようにするというのは、昔から僕にとって非常に楽しい作業だ。メロディーの美しさはもちろんのこと、そのメロディーに当てられている和音とその進行の美しさは、なかなか言葉であらわすことが難しい、背筋がぞくっとするような感動を与えてくれる。
REINA『ENDLESS STORY』はコード進行はオーソドックスだがメロディーが美しい。宇田多ヒカル『Be My Last』宇多田ヒカル - Be My Last - Single - Be My Lastはギターで歌っている限りはあまり面白みのない曲だ。Mr.Children『未来』はAメロは退屈だが、サビの部分のメロディーとコード進行は、その部分だけテンポを遅くしてバラードとして歌っても十分に美しい。
この週末は、最近耳にした曲でもいちばん歌いたかった歌、サンボマスター『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』を歌えるようにした。ラウドなエレキギターと激しいドラムがなければあまり気分ののらない歌ではあるが、ペンタトニック(ひとつ間違うと演歌調)なAメロとBメロはそれでも十分に歌いこめる。
テレビドラマ『電車男』など、まともに観たのは最終回ぐらいなのだが、『電車男』つながりということで、ついでにElectric Light Orchestra『Twilight』の和音拾いにも挑戦してみた。この曲は意外にもズバリ直球のCメジャーだった。きちっ、きちっとした押韻の歌詞もやさしい英語で覚えやすい。ぜひカラオケで熱唱するのにオススメしたい曲だ。あのコーラスを再現できれば申し分ないだろうが、それは無理か。

ホワイドバンドにだまされた人々

■ようやくYahoo!JAPANのニュースに、毎日新聞の記事としてあがってきたが、OxfamというNPO団体が世界的におこなっている「貧困をなくそう」というキャンペーン。白いブレスレッドのような樹脂製のバンドを購入しようという、有名スポーツ選手や芸能人の呼びかけに、まんまとだまされた人が、やはりかなりいるようだ。
ホワイトバンド:趣旨説明不足で購入者から批判
そういう僕も、つい3週間前まで、あのホワイトバンドの売上が、すべてOxfamのふところに入っていることを知らなかったクチだ。TBSラジオの土曜朝の番組『中村尚登ニュースプラザ』の1コーナーに大宅映子が出演していて、OxfamなどのNPOが金の集まるビジネスになってきているという、米『NEWSWEEK』誌の記事をかんたんに紹介していた。それではじめて、あのホワイトバンドの売上が、寄付されるのではないということを知ったのだ。
そのNEWSWEEKの記事は、こちらで読むことができる。
Where the Money Is
読者の中にも、いまだにだまされている人がいるかもしれないので確認しておこう。あのホワイトバンドというのは、貧困をなくそうという「意識を高める」ためのキャンペーンであって、ホワイトバンドの売上が途上国に寄付されるわけではない。ホワイトバンドの売上はすべて、Oxfamの活動資金になるのだ。
今朝の毎日新聞の記事によれば、ファッション感覚でOxfamのキャンペーンにのせられてしまった日本人たちが、今ごろになってようやく文句を言い始めたらしい。
以前からここで話題にしている、『セサミストリート』の製作元、セサミワークショップもまたNPOである。日本での放送を、NHKからテレビ東京にくらがえした途端、マペットたちはじつにさまざまな企業のCMに登場しはじめた。NPOは人々の善意にうったえてお金を集めるところであり、純然たる慈善団体では決してない。
その存在の是非は別として、僕らはNPOと慈善団体の区別くらいは、ちゃんとつけられるようにならなければ。

身近な偽造通貨

■今朝、最寄り駅のホームでいつものように自販機でミネラルウォーターを買おうとすると、二人のご婦人が自販機の連絡先電話番号へ携帯電話で連絡をとろうとしておられる。「ああっ、買うのはやめた方がいいですよ。ほら」と一人のご婦人が手のひらを僕のほうにひろげてみせた。
その上には五百円玉大の銀色の奇怪な貨幣が二枚。ほんとうなら「500」とあるべき場所に、「十」と「中」を足して二で割ったような奇妙な記号が二つ刻印されている。明らかに偽造通貨だ。「お釣りなしでお買いになるならいいですけれど、こんなヘンなのが出てきたんじゃぁねぇ」と、ご婦人は電話をかけ始めた。
さいわい僕はきっかり120円もっていたので、いつものミネラルウォーターを買うことができたが、偽造通貨が、東京郊外の住宅街で、こんなに身近なところで初めてお目にかかれるなんて。日本の国際化はまだこれからのようだ。

角田光代『空中庭園』

■電車の中で携帯電話をつかって読書するために、何を読むのが良かろうかと思って電子書店パピレスを物色していたら、たまたま最近、小泉今日子が出演して映画化されたとかいう角田光代『空中庭園』が見つかったので、ダウンロードして読了した。
角田光代が家族を描くと、家族さえ「擬似家族」になってしまうということなのだろう。個々の人間が内に抱えている孤独の深さが、恐ろしいほどの現実感で描かれているところが共感できた。人間は家族どうしでさえ完全には理解し合えないものなのだ、という当たり前の認識が、それほど当たり前でないということに、改めて気づかせてくれる作品である。

上原ひろみ『Brain』

■音楽の話題ついでに、最近テレビで露出が多かった上原ひろみを今さら聴きはじめた。仮にいま僕が大学生で、学生時代の研究室の仲間と日々過ごしていれば、現実の学生時代に大西順子が話題になっていたように、もっと早く上原ひろみも話題になっていて、新譜のプロモーションのために露出が多くなるより先に、YAMAHAのテレビCMで橋の欄干を鍵盤がわりに指先でたたいているのが彼女なんだなと、とうの昔に気づいていたに違いない。情報感度を独りで磨くのはとても難しい。ちなみに今はとりあえず『Brain』を聴きこんでいる。ミニマルな音と、叙情的な音の同居しているところが、ユニークで良い。Hiromi - Brain