矢口史靖『ひみつの花園』

■これで矢口史靖監督・脚本作品をすべて観たことになる。一昨日の日記にも書いたように最寄のTSUTAYAにはなかったので、会社からウチに帰る途中の駅にあるTSUTAYAをさがして、見つけた『ひみつの花園』(1997年)を借りた。 強烈なお金大好きキャラを演じる主演の西田尚美は、最近フジテレビのドラマ『白い巨塔』で法廷で真実を証言する看護婦役で見たばかりだ。本作で日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞している。最終的にこの主人公の女と同棲する大学の助手役の利重剛は脚本家・小山内美江子の長男で、故・鷺沢萠と結婚していたこともあるらしい。 矢口作品では常連の「引越しのサカイ」のおじさん徳井優と田中要次(『 続きを読む 矢口史靖『ひみつの花園』

矢口史靖『アドレナリン・ドライブ』『ウォーターボーイズ』

■久しぶりに短い間にたくさんの映画を観て、やっぱり映画は僕が帰っていくべきひとつの場所だと感じたので、前回日記を書いてから矢口史靖監督『アドレナリン・ドライブ』(1999年)『ウォーターボーイズ』(2001年)を観た。これで矢口氏単独での監督長編作品はあと『ひみつの花園』(1997年)を残すだけだ。 近所のTSUTAYAにはないのでなんとかどこかのTSUTAYAで探し出さなければ。こういうときに会員証が全店舗共通になったのは便利だ(目ざとい読者ならすでにTSUTAYAについてのエッセーが削除されていることにお気づきかもしれない)。『ウォーターボーイズ』はおそらくいちばん商業的には成功しているの 続きを読む 矢口史靖『アドレナリン・ドライブ』『ウォーターボーイズ』

高橋哲哉著『教育と国家』

■高橋哲哉氏の『教育と国家』(講談社現代新書)を読んだ。「think or die」ファンの読者ならすでにご存知のとおり、高橋哲哉先生は僕が某国立大学でデリダの勉強をしたいと思いたったまさにその理由である。先生と同じ進路ということではじめから文学部を選ばず、大学院進学のときに哲学科へ入るという計画まで立てていただのが、もろもろの事情で今じゃ一介のサラリーマン。 そんなことはどうでもよくて、本書は語りおろしだけあって、とてもわかりやすい。中身としても論理的な破綻のない、相変わらず抑制のきいた着実な論の進め方で、ただただ納得しながら読みすすめることができる。もちろんそれは僕自身が「新しい教科書を作 続きを読む 高橋哲哉著『教育と国家』

李継賢『思い出の夏』

■昨日は日比谷シャンテシネで『やさしい嘘』(2003年)を観て、その夜はTSUTAYAで借りてきた李継賢(リー・チーシァン)監督『思い出の夏』(2001年)を観た。中国映画である。原題は『王首先的夏天 High Sky Summer』で、主人公の少年、王首先の夏の空という意味だ。 中国山西省の小さく貧しい村に北京から映画の撮影隊がやってくる。村でただ一つの小学校に通う子供たちと撮影隊との、夏の短い期間だけの交流を描いた映画で、キャストは2人を除いてすべて素人。子供たちはほんとうに中国の農村に暮らす子供たちらしい。この映画そのものが脚本の内容とダブり、なかばドキュメンタリーのような作り方の作品に 続きを読む 李継賢『思い出の夏』

トリュフォー『あこがれ』『突然炎のごとく』

■そして今日は今日で、池袋のいつの間に改装されていた新文芸座でフランソワ・トリュフォーの2本立て『あこがれ』(1958年)『突然炎のごとく』(1961年)を観てきた。以前にも書いたようにトリュフォー作品は好きでたくさん観ているのだが、短編の『あこがれ』は初めてだ。現代のわれわれが観ると、そのエロティシズムはすこし素朴すぎて思わず笑ってしまいそうになるが、実験的な手法が随所に使われていて興味深い。そして『突然炎のごとく』は2回目なのだが、まるで初めて観たかのような新鮮な驚きがたくさんあった。それについてはまた日を改めてゆっくりと書きたい。