月別アーカイブ: 2004年7月

TSUTAYA新会員制度の不可解さ

■先日このWebサイトのエッセーでTSUTAYAの新会員制度で現住所を確認する書類としてパスポートが使えないのはおかしいということを書いたのだが、タイミングのよいことに先日の日本経済新聞でまさにその話題が取り上げられていた。
TSUTAYAの事例が紹介されていた点まで一致しており、まさか日本経済新聞の記者がこのWebサイトのエッセーを読んで取材する気になったとは考えられず、偶然の一致とはいえ、僕のエッセーが日本経済新聞の特集記事を予告するかたちになってしまった。
その記事の趣旨は、あの僕のエッセーに対してメールを下さった某読者の方と同じで、現住所部分が手書きの書類は現住所の確認書類として認められないということで、記事にはさらに身分証明書類を悪用した詐欺犯罪などの横行が、TSUTAYAなどの企業に慎重な姿勢をとらせていると分析してあった。ただ、だからといって健康保険証やパスポートにある手書き住所は信用できず、公共料金の領収書に印刷されている住所は信用できるという理屈はまったく理解できない。
公共料金の領収書なんて、集合住宅であれば一階の郵便受けの下に落ちているのをよく見かけるほど粗末に扱われるものだが、健康保険証やパスポートをぞんざいに扱う人はまずいないだろう。個人にとって両者の重要性がそれほどまでに異なっている事実を完全に無視して、単に印刷されているか手書きかという点だけに注目する理由は何なのだろうか。まったく無意味な形式主義だとしか言いようがない。
パスポートには写真があるので、そのパスポートが本人のものであるかどうかの確認は店頭でも可能だ。だとすれば残る可能性は、その本人が、自分のパスポートに嘘の住所を書くような人物かどうかだが、自分のパスポートに嘘の住所を書くことで一体誰が得をするというのか。パスポートに嘘の住所を記入してまでTSUTAYAで不正を働こうという人物が、わざわざ顔写真つきのパスポートを身分証明書として提示するなどという、犯罪者として間の抜けたことをするだろうか。
逆にそこまでして不正を働きたい人物なら、引越す直前か直後に会員登録するだろう。そんな希少なケースのために、会員になるすべての人に現住所の証明書類を提出させるのは、顧客管理の費用を顧客に転嫁しているだけだ。それがTSUTAYAの傲慢さでなくてなんだろうか。
百歩譲っても健康保険証だけは単独で有効な本人確認書類として認めるべきだろう。ご存知のように一度にレンタルできるDVDやCDの枚数には限度がある。延滞が生じて本人に連絡がつかなくなっても、TSUTAYA側の損害はたった数枚のメディアの仕入原価だけだ。店頭での万引き被害に比べれば、そのようなケースによる被害額は微々たるものなのではないか。TSUTAYAほどの大企業がそれっぽっちのコストさえ顧客に転嫁するのは馬鹿げている。むしろTSUTAYAという企業は一体どうしてしまったのだろうかと心配にさえなってくる程だ。

河合香織『セックスボランティア』

■日本経済新聞に書評が掲載されたいたノンフィクション、河合香織著『セックスボランティア』(新潮社)を購入して早速読み終えた。ノンフィクションとしては無難に読ませる文体と構成になっており、特に批判すべき点は見つからない。

主題は障害者の性。驚いたのは、オランダでは障害者に対する性的な公的なサービスとして行われているという点。ただ利用者は少ないようで、実際には必ずしも問題の解決につながっていないそうだ。先日このサイトで紹介したマンソンジュ氏の著作(そろそろそんな著作は実在しないのだということを書いておいた方がいいのかもしれないが)にもあったように、性は脱構築の最後の残滓だが、記号としての身体を扱う身体論は、障害者の身体も論じ残していたのではないか。
著者の河合氏は本書を通じて性の問題を心の問題(障害者の孤独感)とくりかえし結び付けているが、もしかするとそれ以前に、純粋に障害者の身体にとっての、身体的な(物理的な)性行為のあり方を徹底して論じるべきだったのではないかという疑問は残る。
なぜなら、性の問題を心の問題に結びつけたが最後、健常者と障害者の性に目だった差異はなくなってしまうからだ。両者のもっとも顕著な差異は、言うまでもなく身体のすがたである。性について健常者と障害者の連続性を強調するのはかなり危険だが、そうしなければこの本が大手出版社から出版されることはなかっただろうということも事実で、確かに困難な問題である。

お台場「グリーンマルシェ」絶対はやらん

■お台場のゆりかもめ「テレコムセンター」駅前にこの週末開設されたリサイクルショップが集まったモール「グリーンマルシェ」に行ってきた。
首都圏初進出の古書店「ほんだらけ」があり、希少価値の高い本や専門書も充実しているというので出かけてみたのだが、哲学関係書はそこそこの充実ぶりで『ニーチェ全集』がずらりと並んでいた。エドワード・ホール著『かくれた次元』(みすず書房 税込定価2,940円)を500円で手に入れたので良かったと言えば良かったのだが、このショッピングモール自体は二度と行くまいと思った。
三連休のせいか相当な人出で、駐車場に入ろうとする自動車が長蛇の列だったが、誰もが相当がっかりして帰ったのではないか。何せ規模が小さすぎる。高さは5メートルもないだろうというカマボコ型の金属製ドームが5つ並んでいるのだが、いかにも安っぽい建物で、しかも店舗がリサイクルショップばかりとあって、何もかもが安っぽいのだ。パレットタウンやデックスなど、お台場にある他の施設と比べると明らかに見劣りがする。
温泉施設「大江戸温泉物語」の道路をはさんですぐ向かいなのだが、本当にそのついでの暇つぶしに立ち寄る程度の価値しかないだろう。ドームどうしは連結されておらず、飲食店は露店になっているので、この季節は炎天下で食事をするはめになる。これでは顧客の滞在時間も短く、とてもゆっくりショッピングを楽しむ環境ではない。断言してもいいが、このグリーンマルシェ、絶対はやらない。

auのA5403CA

■ビックカメラで1円で購入したauの携帯電話機はA5403CAなのだが、miniSDメモリカードが付属していたり、撮影した写真をUSB経由でパソコンに転送できたりで、何を買ったのか分からないくらいなのだが、QVGA液晶の表示は美しく、かな漢字変換は予測変換機能がとても便利で、1か月で解約した日本無線のAir H” PHONEがジャンク品に思える。確かにOperaでは閲覧できたであろうHTMLコンテンツが読めなくなりはしたが、会社のメールアドレスから転送しているメールにも素早く返信できるのですこぶる快適だ。