月別アーカイブ: 2004年5月

業界への強すぎる思い入れは部分最適経営の元凶

■If you have too much fondness with the industry which your company belongs to, that might do harm when you participate in managerial decision making. In many cases, too much stress upon the personal motivation in an organization leads to suboptimization. It is true that it is always important to motivate staff level people. But it is true as long as the people share the same vision of the company. Personal and special fondness of the industry sometimes hinders the dissemination of the vision of the top management.
自分の所属している会社の業種に思い入れを持ちすぎると、経営の観点から意思決定に参加するときに弊害がある。多くの場合、組織の中で個人的な動機付けに力点を置き過ぎると、部分最適に陥る。確かにスタッフレベルの動機付けは重要だが、あくまで会社のビジョンを共有している限りの話である。業界に対する個人的で特別な思い入れは、経営トップのビジョンの浸透をさまたげることもある。

『治療文化論―精神医学的再構築の試み』『時間の比較社会学』

■あまり読みたい本が見付からないので、とりあえず精神医学ものつながりで中井久夫著『治療文化論―精神医学的再構築の試み』(岩波現代文庫)を読んでいる。まだ最後まで読んでいないので結論は見えていないが、西洋医学の精神病・神経症の分類は西洋文化に依存したものであって、他の文化圏にはそれぞれ異なる精神病・神経症のとらえ方・分類方法があるという主旨のようだ。
例えば西洋のホモセクシュアル・パニックに対置される東洋のインセスト・パニックという小田晋氏の説。西洋人の男性の中には、自分が同性愛的な関係が起こりそうな状況に置かれると精神的なパニック症状を起こす人がいるが、異性の肉親との近親相姦的な関係が起こりそうな状況に置かれても平気で、日本人はその逆である、という説だ。初めて聞く考え方だが、精神病・神経症の発症にも文化的差異というのはありそうな話だ。やはり精神病理学の本は社会科学の本として興味深く読める。
ちなみに並行して真木悠介著『時間の比較社会学』(岩波現代文庫)を十年ぶりくらいに読み直しているのだが、こんな本だっただろうかと、以前読んだ記憶が完全になくなっている。見田宗介教授の講義は学生時代直接受けたことがあるが(このことは以前の「愛と苦悩の日記」にも書いたような気がする)、あまりに膨大な構想のごく一部分であると前置きされた講義に面食らったような覚えがある。西洋の直線的な時間観念の相対化は、欧米ビジネスパーソンの「計画」癖を相対化するためにも必要なことだ。

『IT業界図鑑』脱稿

■2か月前からITと経営に関するメーリングリストの知人たちと執筆していた本が、今週ようやく仕上がった。タイトルは『IT業界図鑑』で翔泳社から2004/06/15に発売される予定だ。定価は1,680円(税込)。本書はIT業界への就職を希望する学生さんや社会人向けに、業界のさまざまな職種を紹介する本だ。発売になればamazon.co.jpでも購入できる。今のところbk1にも紀伊国屋Webにもなく、イーエスブックスの次のページにしか掲載されていないようだ(イーエスブックス)。
This week I finished writing a book I was writing since two months ago with friends of the mailing list about IT and management. The title is ‘Job Encyclopedia of IT Industry‘. This book explains various jobs in IT industry for the students who would like to work in IT industry in the future and also for those who have intention to work in the industry. The book is available only in Japanese language and will soon appear on the web bookshops. Currently you can order it in advance only on the following web bookshop. This web site is also only in Japanese (es book).