高杉良『金融腐蝕列島(上)(下)』

■高杉良『金融腐蝕列島(上)(下)』(講談社文庫)を読み終えた。主人公の竹中が総会屋対策や不良債権の回収業務を担当することで、日本金融業界の闇の世界に巻き込まれる。登場人物の人間関係に一貫した流れはあるが、オムニバス的に「悪のショーケース」といった様相を呈する。 フィクションには違いないが、むしろドキュメントとして読めた。銀行員のようなリスクの高い仕事は高給でなきゃやってられないのかもしれない。つくづくシステムエンジニアは平和な仕事である。不良債権というバブルの負の遺産を一掃するのがいかに困難か、暗澹たる気分が残った。 ちなみに佐高信の解説によれば、この小説の主人公とたまたま同名の現大臣、「一 続きを読む 高杉良『金融腐蝕列島(上)(下)』

米国人建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計した滋賀県豊郷町立豊里小学校の校…

■米国人建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計した滋賀県豊郷町立豊里小学校の校舎は、保存を主張する住民側と、解体工事を推進する町長側で裁判沙汰になっていたが、2002/12/19に大津地方裁判所は、工事差し止めの仮処分を決定した。にもかかわらず町は12/20、仮処分を無視して解体工事を始めるという、法治国家・日本で起こった出来事とは思えない暴挙に出た。結局、同日の夜になって、大野和三郎町長は解体工事を当面中止すると発表したが、大野町長リコールの日は近いだろう。一体この町長は何を考えているのか。住民の意思を無視して町政など成り立つはずがないと思うのだが。豊郷町のホームページを見ると、町長から 続きを読む 米国人建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計した滋賀県豊郷町立豊里小学校の校…

消費者金融のテレビCMが多すぎるというのは前からこの日記にも書いていたことだが

■消費者金融のテレビCMが多すぎるというのは前からこの日記にも書いていたことだが、とうとうNHKと日本民間放送連盟(民放連)が運営する第三者機関「放送と青少年に関する委員会」が今日、安易な借り入れを助長する恐れがあるとして、夕方からゴールデンタイムの時間帯の放送自粛を求める見解を発表したとのこと(Yahoo!Japanの社会ニュースによる)。この記事によるとどうやら消費者金融のCMは各局とも放送を自粛しており、1990年代に入ってから解禁されたとのこと。つまりバブルが崩壊して広告料収入を確保するためにテレビ局も背に腹が換えられなくなったということだろう。ただ、これもこのような団体が圧力をかける 続きを読む 消費者金融のテレビCMが多すぎるというのは前からこの日記にも書いていたことだが

高杉良『勇気凛々』の前時代性

■『ジュスティーヌあるいは美徳の不幸』の口なおしに永井荷風ではなく高杉良『勇気凛々』(角川文庫)を読んだ。節操のない読書で申し訳ないが、この小説は実在の企業ホダカ株式会社の創業者をモデルにしている。 ホダカ株式会社は埼玉県の越谷流通団地に本拠を置き、マルキン自転車のブランド名で有名。ブリジストンやパナソニックなど完成品メーカと異なり、中堅自転車メーカから仕入れた自転車を、高度成長期のイトーヨーカ堂と提携して販売するという商社的機能から始まった会社。 小説はバイタリティーあふれる武田社長の成功物語を軸に展開する。サラリーマンが読んで元気の出る小説であることには違いないが、筆者の脚色なのかどうか知 続きを読む 高杉良『勇気凛々』の前時代性