僕の「リスペクト」する数少ない読者から昨日の「リスペクト」に関する記述でご指摘を…

■僕の「リスペクト」する数少ない読者から昨日の「リスペクト」に関する記述でご指摘を頂いた。リスペクトとは米国のヒップホップ系ミュージシャンがよく使う語彙とのこと。安室の曲名は小室によるその語彙の受け売りと通俗化だろうということだ。なるほどヒップホップが起源ということでその含意がなんとなく理解できた気がする(最近こういうあいまいな文末表現が多くなっているような気がしないでもなきにしもあらざるべからざる...)。音楽という特定の表現手段を通じて認識できる他者の思想への共感が基盤になっていることからすると、リスペクトとは抽象的な思想への敬意でもなく、自分と異なる存在としての他者への敬意でもなく、自分 続きを読む 僕の「リスペクト」する数少ない読者から昨日の「リスペクト」に関する記述でご指摘を…

香山リカ『若者の法則』

■もう一冊、数日前の朝刊の「岩波書店の新刊」広告で見つけた岩波新書『若者の法則』(香山リカ著)を1時間ほどで読んだ。僕自身が一体香山リカの言う「若者」なのかどうかということを検証したかったからだ。現代の「若者」の精神性を6つの法則に要約した著者の明晰さは驚くべきものだ。 平易な文体で大人たちが「若者」とどう付き合えばいいのか、大人たちは年長者として「若者」にどのようなお手本を示すべきかについて書かれている。すべての年齢の方々にぜひお勧めしたい本だ。 ところでこの本を読んだ結果、僕自身は「若者」だったのか。おそらく答えはノーだ。僕のような1970年代生まれの世代はこの本で分析の対象となっている「 続きを読む 香山リカ『若者の法則』

島田章『東京再興』

■明治初期の文学で読むものがなくなってきたので(もう名作を読み尽くしたという意味ではなく興味の引かれるものがなくなってきたというだけのことだが)、最近は仕事関係の本ばかり読んでいるような気がする。ここ3日間で2冊読んだ。 1冊は島田章著『東京再興』(日本経済新聞社、2002/05/24刊、1600円)。2003年問題とよく言われるように、来年、東京都心ではバブル期を超えるオフィスビルの大量供給が発生する。そのため賃料下落による不動産各社の業績悪化が懸念されているが、それに関連して都内の各所で進められている都市再開発を日経新聞の記者がレポートした書物だ。たまたまタダで手に入ったから読んだだけなの 続きを読む 島田章『東京再興』

尾崎紅葉『多情多恨』

■昨日、尾崎紅葉『多情多恨』を読み終えた。『金色夜叉』に比べれば大したことないだろうとあまり期待せずに読み始めたが、どうしてこれが新潮文庫に入らないかと思うくらい面白い作品だった。下記にもあるように主人公が最愛の妻を失った絶望から、友人の妻との交流を通じて次第にふつうの日常を取り戻していく心理的な変化の過程がていねいに描かれている。 社会と個人の対立、利他と利己の対立といった図式がない分、さすがに漱石のような意味での近代性は皆無だが、明治初期に台頭した恋愛を基盤とした結婚生活という中流階級の新しいライフスタイルを心理面から描写することには見事に成功している(もちろん自由恋愛を前提とした結婚とい 続きを読む 尾崎紅葉『多情多恨』

『基礎から学ぶソフトウェアテスト』

■近所の大型書店に通うだけでは分からなかったことだが、今年2月の岩波文庫の復刊に尾崎紅葉『多情多恨』があったようなのだ。池袋の旭屋書店で初めて知ったので迷わず購入した。明治文学全集と現代文学全集の両方で紅葉の作品を当たったが、返却期限までに読めなかったのか、そもそも収録されていなかったのか、『多情多恨』はまだ読んでいなかった。主人公が最愛の妻を失った悲嘆にくれるところから始まるのだが、作者がそれを戯画化するのでまったく深刻さがなく、むしろおかしみをかもし出す不思議な小説だ。 それ以外の読書は仕事関係のものばかり最近は読んでいる。『基礎から学ぶソフトウェアテスト』(日経BP社)はソフトウェア開発 続きを読む 『基礎から学ぶソフトウェアテスト』