月別アーカイブ: 2001年8月

犬鳴けば廃品回収の軽トラ近づく

■犬鳴けば廃品回収の軽トラ近づく。お隣のいやに神経質な飼い犬だけなのかと思っていたら、家への帰り道、中古バイクを回収するトラックが町内を回る先から、あちこちの一軒家で飼い犬が遠吠えしている。拡声器から遠く聞こえる人の声を仲間の呼び声と勘違いするのだろうが、人に飼われてなお宿っている野生の本能が呑気な拡声器の声に呼び覚まされる犬の哀れさ、可愛らしさ、間抜けさ加減。

S.E.S『A Letter From Greenland』

S.E.S4枚目のアルバム『A Letter From Greenland』を聴いている。日本語によるリリースの前作『REACH OUT』に比べてかなり大人っぽい仕上がりになっている。
Sea(パダ)のパワフルなボーカルにはますます磨きがかかり、要所で聴かせるパンソリ風の「うなり」と、空をスカッとつきぬけるような伸びのある声はただただ耳に爽快だ。もうShooとEugineはどうでもいいので、Sea(パダ)はソロアルバムを出してくれないだろうか。
ちなみにジャケ写のルックスも大人っぽさが演出され、Seaはドラマチックなウェーブヘアが確かに以前の黒いストレートよりもお似合いで、その存在感はルックスでも残りの2人を圧倒している。

モハマド・アリ・タレビ『柳と風』

■アッバス・キアロスタミ脚本、モハマド・アリ・タレビ監督『柳と風』(1999年イラン・日本、85分)。NHKエンタープライズ21が製作に協力しているキアロスタミ脚本映画。
いかにもキアロスタミの少年もの的な、語のそもそもの意味での「サスペンス」映画。つまり恐怖映画や犯罪映画という意味ではなく、ある事柄の成就が際限なくひきのばされ、宙づりにされるという意味での「サスペンス」。一体いつになったら少年は小学校の窓ガラスを入れることができるのか。イライラさせられながらも秀逸な省略法、意図的に台詞を廃したカット、美しいフレーミングと構図、キアロスタミ自身の監督作品ではあまり見られないズームや室内シーンでの照明(自然光?)効果。
印象的なシーンは、たとえば風力発電所で遠景に見える父子の対話とそれをドギマギしながら見つめている少年のカットバック。その直前、少年が自動車を降りて歩き出すのをなぜトラック(軌道)に載せたカメラで追いかけるのかと思えば、その背後に広大なイランの大地が遠景で広がってくるシーン。少年が雨で増水した川をガラスを運びながらわたる様子を俯瞰でとらえたシーン。風雨をのがれて木陰に休む少年がガラスごしにみる風景のそのガラスに小さな木の葉がぱらぱらと貼りつくシーン。最後の夕陽を背景にした影絵も美しい。
印象的な場面が満載で、なおかつ最後まで見る者の心を引きこみ、一見、絶望的なエンディングでありながらも少年をとりまく人々の温かさに映画の中では描かれていない幸福な結末を確信せざるをえない話術。まったくもって「やられた」としか言いようのない素晴らしい映画だ。

大岡昇平『俘虜記』を読み始める

■大岡昇平の『俘虜記』(新潮文庫)を読み始めた。明日が終戦記念日だから?そうではない。例によって高橋源一郎の小説に引用されていたからだが、こんなに面白くていいのだろうか。

フェイ・ウォン『天空』の歌詞について読者からメール

■昨日フェイ・ウォンの『天空』の歌詞について一部わからない箇所があったので日記の中で呼びかけたところ、さっそくメールを頂いた。アルバム『天空』の歌詞カードは繁体字なので北京語しか勉強したことのない僕には読めなかったのだが、人偏に占、手偏に劇の左半分で「占据」(zhan4ju4)とのこと。よく聴くとたしかにそう歌っている。