仕事でSIに関わっているのにアーサーアンダーセン

■仕事でSIに関わっているのにアーサーアンダーセン(AA)とアンダーセンコンサルティング(AC)の区別もつかないのは困るのだが、ACのWebサイトによればつい先日、ACはICC(International Chamber of Commerce)の2年半にわたる調停の末、ようやくAAから完全に独立したらしい。ACは1989年のリストラによってAAから独立し、両者は異なる事業領域で補完的役割を果たし、その協力関係を維持するためにACは毎年一定額をAAに支払うという合意を取り結んだ。ところがその後AAは合意を破ってACの事業領域であるコンサルやITに手を広げたため、1997年ACはICCに調停を申 続きを読む 仕事でSIに関わっているのにアーサーアンダーセン

夏の終わりになると無性に純文学が読みたくなる

■夏の終わりになると無性に純文学が読みたくなる。涼しくなった夕方の風が確実に過ぎ去っていく季節を感じさせる、その喪失感が純文学を読み終えたときのそれとよく似ているからだろう。一冊の小説を読み終えたとき、あるいは一本の映画を見終えたとき、心に残る大きな空間のようなもの。この幸福な時間がいつまでも続けばよいのにという思い。それが夏の終わりによく似ているからだろう。また来週になれば会えるとわかっているのに、改札口で別れてひとりで歩き出すとき、胸の奥をしめつけるせつなさ。決定的ではないが、平気な顔をすることもできないその喪失感に、適切な言葉をあてはめることはとてもむずかしい。 前に進むということは、そ 続きを読む 夏の終わりになると無性に純文学が読みたくなる

アルモドバル『オール・アバウト・マイ・マザー』

■アルモドバル『オール・アバウト・マイ・マザー』を観てきた。映画そのものは『イヴの総て』を下敷きにして『欲望という名の列車』の劇中劇という、多少あざといと言えるほど凝った構造になっている(アカデミー賞で評価が高かったのはそのせいもあるだろう)。おまけに3人のエステバンが登場し、生と死、知と無知の2軸に沿ってこの3人を構造分析すればちょっと面白いエッセーでも書けそうだ。 だがそんなエッセーを書く気になれないのは、『イヴの総て』をすっかり忘れてしまったことや、もう一つこの映画の下敷きになっているカサヴェテスの映画『オープニング・ナイト』も忘れてしまったことだけではない。物語を単なる虚構として処理で 続きを読む アルモドバル『オール・アバウト・マイ・マザー』

福田和也『甘美な人生』

■衝動買いのわりに久しぶりに面白い本に出会った。福田和也『甘美な人生』(ちくま学芸文庫、2000/08/09刊)。『柄谷行人氏と日本の批評』の論点は新鮮。右寄りの批評をめったに読まないせいもあるのだろう。幼稚な日本人がどうのという本は読んだことがあるが、考えてみれば福田氏の本格的な批評を読むのは初めてだ。 最近仕事関係の本ばかり読んでいたので、この種の本を読むと僕らが本当に考えるべきことを思い出させてくれる。企業の業務や情報システムに関して原則論をたたかわせるほど不毛なことはない。 毎日のように発生している国内製造業の品質問題は、もちろんTQCの制度疲労もあるだろうが、他方でアングロサクソン型 続きを読む 福田和也『甘美な人生』

『The Economist』日銀ゼロ金利解除を断罪

■日銀がゼロ金利政策を解除したのは少し前の話だが、それについて先週の『The Economist』は「間違いだった」と断じている。消費者物価指数が前年比でマイナスが続いているので、名目金利はゼロでも実質金利はすでにプラスになっているというのがその理由。金融政策としてゼロ金利を解除する必要はまったくなかったということだ。今日、8月の都区部の消費者物価指数が発表されたが、依然として前年比マイナスで0.8%。企業の設備投資はIT関連が牽引役になってハイテク関連を中心に伸びていると言うが、来年になって急上昇すると言われる長期金利が足を引っ張るのではと懸念される。