月別アーカイブ: 1998年1月

グリーナウェイ『プロスペロの本』

■P・グリーナウェイ『プロスペロの本』1991年英仏。閉じた空間に完璧なバロック世界。デレク・ジャーマンっぽい悪趣味ささえある。一緒にグリーナウェイの初期短編集も放送されていたが、『英国式庭園殺人事件』のような物語の強い作品よりも、箱庭的な美しさの映像+朗読+「書字」こそ彼の美的世界の本質のようだ。幾重にも重なるイメージ、閉鎖的な空間を演出するための全編にわたる湿ったリバーブ、イメージの一部となった「書字」、一分の隙もないセット。観ていて息苦しくなるほどの濃密な世界。

倫理観の欠如したおじさんたち

■アメリカの真似して公務員倫理法作るとか何とか...。でも今の日本の中枢を担ってるおじさんたちには倫理観なんてないからムリでしょ。彼らは、一生懸命働いてさえいればすべてが許される、という単なる「思い込み」だけで生きているわけだから。彼らに言わせれば、一生懸命働いてさえいれば、息抜きには何してもいいらしいし。勤勉さは何の免罪符にもならないのにね。

ディズニー『ファンタジア』

■ディズニー『ファンタジア』1940年米。昨日WOWOWで目にした坂本龍一ライブが色褪せて見えるほどの、驚くべき音楽とイメージの統合。60年前のアニメとはとても思えない。逆の言い方をすれば、この60年間ディズニーは全く変わっていない。

三菱電機の薄型ノートが売れなかったわけ

■少し前、電機メーカーのソニーと三菱電機がそれぞれ本体の薄さを誇るノートPCを売り出したが、軍配はソニーに上がった。ソニーはもはやハードウェアの技術力だけでPCは売れないことを見ぬき、PCとともにライフスタイルを売る。一方、いまだに技術力だけで商品を差別化できるという時代おくれの「モノづくり」哲学から脱皮できない三菱電機は、結局「薄さ世界一」という宣伝文句以上のものを消費者に伝えられない。たいして価格が変わらない両社の製品のうち、消費者がどちらの商品を選択するかは明らかだ。こんなところに企業間の収益格差の遠因がある。