安倍政権の放送法についての誤解と「この国民にしてこの政権あり」

BPO(放送倫理・番組向上機構)がNHK番組のやらせ疑惑をめぐって、高市総務相が放送に介入したことを批判したことはご承知のとおり。 どうやら安倍政権は、放送法をわざと、意図的に、曲解しているらしいので、以下、かんたんにご説明。 放送法第四条、放送事業者に政治的公平性を求める条文の前提は、放送法第一条。 放送法第一条、放送の不偏不党、真実及び自律、表現の自由の確保を求める条文の前提は、日本国憲法第二十一条。 日本国憲法第二十一条は、表現の自由と検閲の禁止。 憲法は主権者(つまり国民)が、統治権力の権力乱用を制限するもの。 つまり憲法第二十一条は、「統治権力は、国民の表現の自由を制限したり、検閲し 続きを読む 安倍政権の放送法についての誤解と「この国民にしてこの政権あり」

「5年間滞在した日本を離れるドイツ人ジャーナリストの告白」全文日本語試訳

「5年間滞在した日本を離れるドイツ人ジャーナリストの告白」というtogetterで抄訳されていた記事が面白かったので、全文を日本語にしてみた。 英語の原文は、日本外国特派員協会の「NUMBER 1 SHIMBUN」というブログのこちらの記事。 原題は「東京からドイツの読者へ5年間伝え続けた外国人記者の告白」。筆者はドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙の記者カーステン・ゲルミス氏。 荷物はまとめた、と歌はつづく。東京で5年間、ドイツの日刊紙『フランクフルター・アルゲマイネ』の特派員として過ごし、私は間もなく東京から故国へ旅立つ。 私が離れるこの国は、2010年1月に到着したときとは違っている 続きを読む 「5年間滞在した日本を離れるドイツ人ジャーナリストの告白」全文日本語試訳

小室淑恵「山積する社会問題をタダで解決する、たったひとつの方法」は素朴な啓蒙主義者の楽観に過ぎない件

こちらの日刊読むラジオの記事、小室淑恵「山積する社会問題をタダで解決する、たったひとつの方法」を、海部美知氏が「禿同」とリツイートしていたので読んでみた。 ひとことで言うと、考えが足りない。 日本社会が少子化、うつ病、ダイバーシティ(多様性)、介護問題、財政難などの山積する問題をタダで解決する、たったひとつの方法が「長時間労働をやめる」こと、というのが小室氏の結論だ。 小室氏の誤りは、まず論理階層の誤りだ。 長時間労働は、少子化、うつ病、ダイバーシティ等の問題の原因ではなく、それらの問題と同じ、単なる一つの問題にすぎない。 これらの問題のうち、長時間労働「だけ」をやめることはできない。これらの 続きを読む 小室淑恵「山積する社会問題をタダで解決する、たったひとつの方法」は素朴な啓蒙主義者の楽観に過ぎない件

海部美知さんの思想は適切だが表現方法で失敗している件

たまたま海部美知さんのツイッターをフォローしている関係で、2ちゃんねるで炎上したらしい日経ビジネスオンラインの記事は既読だった。 『シリコンバレーに戻ってきた日本の企業たち 「ヨーロッパ並み」とはどういうことか』 (日経ビジネスオンライン) なので途中、「(余談ながら、あの「おーいお茶」という男尊女卑的な響きのある商品名は何とかならないのか、と思うのだが…)」という部分も、個人的にはほくそ笑みながら読んだ。 ただ、これが2ちゃんねるの右寄りのみなさんにとって「カチン」と来る余計な傍白であることは、ちょっと考えれば分かることだが、海部美知さんご自身は「この点にこんなふうにムッとする人がいるとは思 続きを読む 海部美知さんの思想は適切だが表現方法で失敗している件

開沼博氏の、いかにも旧来の左翼運動的な知識人嫌悪

ニコニコニュースの記事にやや疑問があったので指摘しておく。 『福島に届かぬ”原発反対”の声 社会学者・開沼博さん<「どうする?原発」インタビュー第5回>』 (2012/08/21 14:45 ニコニコニュース) 社会学者の開沼博氏が、毎週金曜日に首相官邸前で行われている脱原発デモに、的外れな批判をしているのだ。 「私は、都会で行われる脱原発を唱える社会運動について『それ、福島に届いているとでも思っているんですか?』と常に問い続けてきました。」 まず脱原発デモは、ふつうに考えれば日本が原発に依存しなくてもいい社会の実現を訴えるのが第一の目的であって、別に福島県を含む原発の 続きを読む 開沼博氏の、いかにも旧来の左翼運動的な知識人嫌悪