残念なことになっていた小説版『輪るピングドラム(上)』

アニメ『輪るピングドラム』小説版の「上」の古書を、アマゾンで購入して読み始めてみたが、村上春樹『1Q84』を読んだ直後ということもあり、恐れていた通りかなりがっかりさせられた。 アマゾンの商品説明には「原作小説」とあるが、アニメの放送開始に先立つこと、ほんの数日前の発売であり、アニメの脚本より小説が本当に先に書かれたとは考えづらい。 上巻の4分の1ほどを読んで分かったのは、これは小説ではなくアニメ脚本の下書きである、ということだ。 アニメ版『輪るピングドラム』はご覧になった方はお分かりのように、幾原邦彦の原作らしい前衛的で抽象的な表現が散りばめられた作品だ。 例えば有名な「生存戦略!」のシーケ 続きを読む 残念なことになっていた小説版『輪るピングドラム(上)』

アニメを見下す大人は鑑賞能力がないだけ

アニメについてブログを書こうとすると、前提となる説明が長くなるが、あえて書いてみる。 先日、録画してあった『スマイルプリキュア』を初めて見た。本当は第1話から観たかったのだが、予約録画を忘れていたためにようやく観ることができたのだ。 アニメに関心のない読者の方々は、ここまでで頭の中が疑問符だらけに違いない。 『プリキュア』というのは日曜日の朝に放送されている女児向けTVアニメシリーズで毎年新シリーズが1年間の放送予定で開始される。詳細はウィキペディアの「プリキュアシリーズ」をご覧いただきたい。 いずれにせよ、40代で子供のいない僕のような既婚男性が観る番組ではない。では僕が登場人物の中学2年生 続きを読む アニメを見下す大人は鑑賞能力がないだけ

深夜時間帯アニメ作品の多様性

TVアニメ『侵略!?イカ娘』のオリジナル・サウンドトラック2のジャケットが面白い理由が分からない人がいるといけないので、比較画像をアップしておく。 要は1990年代にカリスマ的な人気を誇ったロックグループ、ニルヴァーナの大ヒットアルバムのジャケットのパロディでした、というわけだ。 ところで『侵略イカ娘』というTVアニメだが、単なる「スクール水着少女萌え」作品だと完全無視していたが、実際見てみると意外に良かった。 24分間に3つのエピソードからなるという、番組フォーマットとしては『サザエさん』と同じで、脚本の内容も実は『サザエさん』なみに平凡な笑いに満ちている。 深夜時間帯に放送されているアニメ 続きを読む 深夜時間帯アニメ作品の多様性

公式英語版『魔法少女まどか☆マギカ』の声優さんまとめ

どうやらアニプレックスは『魔法少女まどか☆マギカ』の英語版を作成して、米国やカナダなどの英語圏への展開をするらしい。 MADOKA MAGICA(英語版『魔法少女まどか☆マギカ』公式サイト) 声優は当然、英語ネイティブになるが、海外であっても「真性」ヲタクはオリジナルキャストにこだわるはずで、おそらく英語ネイティブの声優版を受け付けないだろう。 アニプレックスの狙いも、英語圏のコアなヲタク層にはなく、たぶんあまり日本の最先端のアニメ表現にあまり関心はないが、日本文化には興味がある、といった若者にあるはずだ。(もしコアなヲタク層を狙っていたとしたら完全な英語圏展開戦略ミス) 自分のメモとして、英 続きを読む 公式英語版『魔法少女まどか☆マギカ』の声優さんまとめ

『輪るピングドラム』における作為の契機と愛と共同性

『輪るピングドラム』がTBSでは昨晩最終回をむかえたので、とりあえず最初のレビューを書いてみる。表現技法については置いておいて、物語についてのレビューだ。 この物語は、要約すると次のようなことだと思う。 いま自分が生きている世界は、別の姿でもありえたが、その別の世界で起こったかもしれない大きな不幸をなくすために犠牲になった誰かのおかげで、いまの自分がある。この世界は、運命が決めたものでもなく、自分一人の意思で変えられるものでもなく、みんながいっしょに作っているものだ。 でも、最終回を見て、次のように思った人もいるかもしれない。 『輪るピングドラム』は並行世界についてのお話である。こうであったか 続きを読む 『輪るピングドラム』における作為の契機と愛と共同性