愛と苦悩のコロナ闘病記 その1 やっぱりおかしい

要約

要約はありません。後半になるほど内容は軽くなりますので、安心してお読み下さい。

筆者は設定上、東京都23区在住となっています。タイトルにある「愛と苦悩」の部分は単なる接頭辞で、何の意味もありません。

以下の情報はあくまで2021年1月19日時点であり、日本国内の感染者が増えつづけた場合、より厳しい状態になっているはずです。

2021/01/11 発症日
2021/01/12 PCR検査
2021/01/13 PCR検査結果 陽性
2021/01/14 保健所から1回目の電話、宿泊療養の調整開始
2021/01/15 保健所から2回目の電話(体調確認)
2021/01/16 保健所から3回目の電話、宿泊療養先決定、宿泊療養先に入所
2021/01/21 宿泊療養先から予定どおり退所。

はじめに

ネットで新型コロナ感染者の経験談を読むと、「いったいどこで感染したのか分からない」「人一倍注意していたはずなのに」というフレーズがよく出てくるけれど、読むたびに絶対に見落としがあるはずだと思っていた。

ところが、じっさいに感染してみると、本当にいったいどこで感染したのかわからない

政府の言っている「三密」や「5つの場面」など感染リスクが高まる状況は、じっさいにはそういう状況以外で感染が起こる確率はゼロという意味ではない。「三密」や「5つの場面」以外でも感染は起こるが、その確率が低いだけのこと。

もちろん自分からハイリスクな状況に突進して、ロシアンルーレットを回しに行くのはバカげているけれど、残念ながら徹底的に対策をして、感染リスクの高い状況を避けても、感染確率をゼロにすることは決してできない。

努力は必ずしも報われない。最終的に結果を知っているのは神様だけ。

マイナス1日目:ちょっとおかしいかな?

年の初めの連休中、夕食後の風呂から上がった後、やたらと体が重く、がまんできずそのまま布団に入った。

たまに疲れがひどいときはそういうこともあるので、体温を測って37.0度とやや高いことだけ確認するとそのまま眠りに落ちた。

2時間後、ふっと目が覚めたがまだ体調がすっきりしない。新型コロナに感染するのではという日常的な不安から、もう一度検温すると37.1度。まあ問題なさそうだと翌朝まで眠った。

こうしてこまめに検温する習慣は、新型コロナが本格的に流行し始めた2020年3月9日から続けていた。

2020年1月上旬、中国で新型コロナが感染拡大し始めたころから、中国版ツイッター(新浪微博)で省ごとの新規感染者数を追っていた。

それまで中国語の独学を10年以上つづけていても、せいぜい日本の本家から勝手に独立した上海の某アイドルグループのフォローくらいにしか役に立たなかった。

しかし新型コロナの世界的な感染拡大で、中国語の医学専門サイト「丁香園」の統計情報や、中国版ツイッター上の政府広報を読むのに役立ってしまうという棚ぼた的なことになっていた。

そのため2020年1月時点では、職場の人たちと新型コロナの恐ろしさについて認識の差が激しく、筆者がいったい何をそんなに恐れているのかと思われていたに違いない。

職場で同じフロアの人が普通に中国に出張して帰ってきたのを見て、そりゃまだあなたの出張先の感染者は武漢よりはるかに少ないけれどゼロじゃないんだよ、と心の中でつぶやいていた。

その後、ダイヤモンド・プリンセス号の大規模クラスタがあり、日本でも案の定、中国からの入国者・帰国者をきっかけに感染が拡大したため、Twitterで日本の感染症専門家アカウントをまとめてフォローし始めた。

情報過多になると体調変化にも過敏になり、2020年3月9日のお昼にちょっと体調が悪いと思って検温し、Excelに記録を取りはじめたのが今までずっと続いている。

中国と往来する人がそこそこいる職場で仕事をしていて、急に37.2度というのは新型コロナの感染初期かもしれないと、その3月9日から数日間、家庭内で自己隔離をしたくらいだ。

0日目:やっぱりおかしい

前日にちょっとおかしいかな?くらいだったものが、翌朝、まだ連休中だというのに7時に目が覚めて変わらず体調が悪く、測ってみると37.4度。やっぱりおかしいとなった。

ただし、冷静になって考えると、過去2週間をさかのぼっても感染リスクが高い場所にいっていないどころか、妻以外の誰とも話していない。

クリスマス前から在宅勤務で、年末年始も近所に1日1回散歩に出かけるくらい。出社日以外は公共交通機関をいっさい使わず、最寄りの駅にも近寄らない。

スーパー、コンビニ以外の商店には立ち寄らず、外食などもってのほか、散髪も自分ですませるという習慣は、ほぼ1年つづけている。

今回も去年3月9日と同じく、単なる勘違いの可能性が高い。厚労省の相談・受診の目安にも風邪のような症状が4日以上続く場合は必ずご相談ください、とあるくらいで、1日だけでは説得力がない。

少なくとも今日一日は様子を見ようと、連休最終日の2021年1月11日は布団に横になったまま過ごすことにした。

概ね1時間ごとに検温していると、ただ事ではない気がしてきた。

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2021/01/11 14:5237.9 
2021/01/11 16:3738.1 
2021/01/11 17:3738.0 
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ふつうの風邪とは明らかに違う体温の上がり方だ。

それに今年は新型コロナの公衆衛生対策のおかげでインフルエンザの患者数は歴史的に少ないと聞いており、インフルエンザの可能性はほぼない。

ますます体がだるくなり、頭痛も強くなる。食欲もなく、食事はおかゆにした。

ただ、だるいといっても歩けないほどではないし、味覚や嗅覚は正常、全身に鋭い痛みが走るわけでもなく、咳はほとんど出ない。新型コロナに特徴的と言われる症状は一つもなかった。

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とはいえ、夜眠れない程度にはつらく、目が覚めるたびに検温した。体温は朝にかけて下がっていくが、体のだるさと頭痛は変わらない。頭痛といっしょに、無いはずの虫歯が痛むような感覚もする。

会社からは風邪のような症状のときは出社しないよう言われているし、そもそもずっと在宅勤務だが、さすがにこのだるさでは1時間と座っていられない。在宅勤務の休暇申請というものを初めて出した。

1日目:PCR検査

とりあえず新型コロナかどうかはっきりさせるためにPCR検査を受けることにした。

以前はまず保健所に相談しないとPCR検査は受けられなかったが、今はかかりつけ医でも検査をしてくれるようになったので、病院の受付時間が始まるとすぐに電話をした。

かかりつけ医は町医者のようなところではなく、大学病院の医師が交代で勤務する総合病院で、かかりつけ医と言いつつそれほどかかりつけているわけではない。

医師の診断つきのPCR検査なので、いま電話をしても早くて翌日だろうと思っていたら、今日の午後来てください、一般外来とは別の入口になります。外でお待ちいただくことになるので温かい服装で来てくださいとのこと。

これだけ感染者が増えればPCR検査数も増え、受付も手慣れた対応になっていた。今日中に受けられると分かり安心したが、あのスワブがどれくらい痛いのか気になりだす。

時間になって病院に徒歩で向かう。相変わらず体はだるいが歩けないほどではない。一般外来の入口をやり過ごして、指定された入口に向かうと、駐車場に3メートルくらいの間隔をあけて丸椅子が置いてあり、それぞれに患者が座っている。

検査そのものを外でやるとは思わなかった。それにスワブではなく唾液検査だ。

看護師さんの方から近づいてきて名前を確認され、指定の丸椅子に座った。4つの椅子ごとにその中心に電気ストーブが置かれているが、寒くてほとんど効かない。

8メートルくらい向こうに座っている若い男性が、細長い容器にがんばって唾液を出している。かなり大変そうだが、まあスワブよりもましだ。

待ち時間はどれくらいなのだろうと心配し始めたところへ医師と看護師さんがやってきた。左手の人差し指をパルスオキシメーターに突っ込まれつつ、症状が出始めた日や体調を質問される。

血中酸素飽和度に異常はない。それは分かっている。昨年3月ごろ自宅にパルスオキシメーターを買ってあり、体調が悪くなるたびに測定している。

問診が終わって間もなく、看護師さんが長細い容器を持ってきて、マジックの線のところまで唾液を出してくださいとのこと。やってみると意外に手間どらなかった。

しばらく待っていると薬を2種類を出され、検査結果は明日には出ると思いますので連絡さしあげますとのことで検査は完了。あっけないほど簡単に終わった。

出された薬はカロナール300、ツムラ麻黄湯エキス顆粒を1日3回5日分。

専門家のいろいろなツイートでPCR検査は医師の診断によって事前確率を高めることが重要とあり、こんなにかんたんな問診だけで大丈夫だろうかと思った。

しかし後で分かるが、この病院は症状のない人の検査は断っている。またこのとき東京の検査陽性率は10%を超えており、事前確率を上げることと、検査数を増やすことを天びんにかけると、このやり方がもっとも効率的な気がした。(個人の感想です

帰宅するとそのまま横になり、一定時間ごとに検温をつづける。症状は変わらず、体のだるさと頭痛が主で、咳が少し増え、熱で汗が出るようになったくらい。それでも夜中には目が覚めてしまう程度にはつらい。

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2021/01/13 06:2837.2 

なお、処方されたカロナールと漢方薬は飲まないことにした。

カロナールはアセトアミノフェンが主成分の解熱剤だが、解熱剤をのんで熱を下げるとかえって病気の進行を速めてしまうという情報がネット上にあったからだ。

後でこれが大きな間違いだと分かる。(ネットの情報を安易に信じることなく、薬は医者の処方を守って飲みましょう