0ABJ型IP電話規制緩和パブコメ期間終了:今後050型IP電話の競合はLINE電話か?

0ABJ型IP電話の規制緩和について、総務省の情報通信審議会が2015/09/30~10/29の1か月間パブリックコメントの募集を行っていたが、結局コメントは2件だけだったようだ。

その2件は総務省の下記リンク先PDFファイルで読める。

「事業用電気通信設備規則の一部を改正する省令案等に対して提出された御意見及び御意見に対する考え方」(総務省HP)

一人はソフトバンク宮内CEO、まさに今回の規制緩和の「恩恵」を受ける当事者。当然、規制緩和に賛成する意見なので、審議会はとくに反論していない。

もう一人は個人で、0ABJ型IP電話の品質要件のうちパケット損失率の規制緩和の部分に反対する内容。もしかすると既存の0ABJ型IP電話業者か従来型固定電話業者(NTTやKDDI)の関係者かもしれない。

この反対意見に対して審議会は、パケット損失率を緩和しても音声評価実験の結果等から品質に問題ないと反論している。

結果、審議会としては規制緩和が適当だと結論づけている。

審議会はこの結論を2015/11/10に総務省に報告しており、総務省はこれにこたえて「速やかに規定の整備を行う予定です」と発表している。

「事業用電気通信設備規則の一部改正に係る情報通信行政・郵政行政審議会からの答申及び意見募集の結果」(総務省HP 2015/11/10)

ここからは個人的な推測だが、今回の規制緩和の省令が施行されれば、0ABJ型IP電話は今まで以上の伸び率でシェアを高めるだろう。

以前ご紹介したとおり、0ABJ型IP電話の利用者数はここ10年ほど急速に伸びており、2014年すでに従来型0ABJ固定電話の利用者数を超えているからだ。

そして050型IP電話は「法制度にもとづく品質や信頼性の保証がない代わりに、低コストな電話」という位置づけが強くなるだろう。

その結果、050型IP電話は今までのように0ABJ型IP電話と競合するのではなく、一般消費者向けのSkypeやLINE電話のような、電話番号ではなくユーザ名でつなぐインターネット電話と競合するにようになると思われる。

そしてそれほど通話品質を期待しないのであれば、わざわざ050の電話番号を月額数百円の費用を支払って取得せず、固定電話ではなく、スマートフォンをつかって、ユーザ名でつなぐLINE電話のようなインターネット電話を選ぶだろう。

あるいは、携帯電話会社が最近提供し始めている通話し放題の料金プランで、正規の080番号、090番号で通話することを選ぶだろう。

どちらにしても050型IP電話は非常にニッチな用途しか残らないだろうと思われる。