0ABJ型IP電話の規制緩和省令がパブコメを経て総務大臣へ答申へ

先月ここでふれた0ABJ型IP電話、つまり今までの固定電話と同じ、東京なら03、大阪なら06などで始まる番号のIP電話の品質条件を緩和する省令が、2015/09/30~10/29までパブリックコメント募集中。それが終われば、総務大臣への答申となるようだ。

おそらく0ABJ型IP電話の規制緩和については、東西NTT、KDDIの国内最大手電話会社がいずれも設備投資面でのコスト削減につながる恩恵を受け、ソフトバンクなど新規事業者にもメリットがあるので、このまま省令として成立するだろうと予想している。

「事業用電気通信設備規則の一部を改正する省令案等に関する意見募集」(総務省HP 広報・報道 報道資料一覧)

そして面白かったのが、この報道資料に引用されている下記の資料。

「ネットワークのIP化に対応した電気通信設備に係る技術的条件に関する情報通信審議会からの一部答申-0AB-J IP電話の品質要件等-(平成27年9月8日)

この「一部答申」を実際に見てみよう。下記リンク先からPDFファイルで読める。

「情報通信審議会 情報通信技術分科会 IPネットワーク設備委員会
報告書(案)―0AB-J IP電話の品質要件等―」(平成27年7月22日)

この資料に、そもそもなぜ今回の規制緩和が検討され始めたのか、その裏付け資料がある。「参考資料4 0AB-J IP電話に係る利用者のニーズ等」という部分だ。

15歳以上の約1,000人の個人と、一般企業・団体の職員約500人に、0ABJ型IP電話についてアンケートをとった結果が示されている。

まず、現在「最も高い頻度で利用している電話サービス」。言うまでもなく050型IP電話はもっとも割合が少ない。

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つぎに、「0AB-J番号の電話を利用する理由」について、個人の回答結果と、法人の回答結果。

「電話番号自体の信頼性があるから」という回答の割合が、個人に比べて法人が多くなっている。

法人は通話品質(30.8%)と番号自体の信頼性(33.0%)の2つを根拠に、0ABJ型IP電話を利用していることがわかる。「電話番号から地域が把握できるから」という回答も10.3%と、法人の方が多い。

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この省令が施行されれば、0ABJ型IP電話と050型IP電話の役割分担が、より明確になる。

0ABJ型IP電話は現在の0ABJ型固定電話に代わる、高品質で信頼のある電話という役割。

050型IP電話は品質は「事業用電気通信設備規則」(昭和60年郵政省令第33号)のような法令上の品質の裏づけはないが、安く使える電話という役割。

以前も0ABJ型IP電話と、050型IP電話の下図の回線数推移グラフを示したが、今後、固定電話は0ABJ型IP電話が主流となり、050型IP電話は、コスト最優先のニッチなニーズに対応する電話になるだろう。

IP電話利用数・固定電話加入者数・携帯電話加入者数の推移(万件、万契約)

IP電話利用数・固定電話加入者数・携帯電話加入者数の推移(万件、万契約)

(引用元:「電話加入者数の推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)」(2015/08/04 14:30)