0ABJ型IP電話と050型IP電話の契約数の推移

0ABJ型IP電話の規制緩和に見る、050型IP電話についての政府の考え方

050型IP電話は、0ABJ型IP電話が順調に増加しているのに比べて、契約数は横ばいだ。

0ABJ型IP電話と050型IP電話の契約数の推移

0ABJ型IP電話と050型IP電話の契約数の推移

一方、0ABJ型IP電話は、NTT東日本、NTT西日本、KDDIの事実上の寡占状態になっている。

たとえばソフトバンクグループは、0ABJ型IP電話への参入を、数年前から総務省に要求している。下記がその説明資料の一つだ。(総務省のホームページより)

「IPネットワーク設備委員会 通信品質検討アドホックグループ ヒアリング資料」(2012/04/25 総務省HPより)

これらのことから、総務省は、0ABJ型IP電話の品質要件を一部緩和して、ソフトバンクのような新規事業者の参入を容易にするよう、方向転換している。

それは以下の総務省の資料で分かる。

「『0AB-J IP電話の品質要件の在り方に関する研究会』報告書」(2014/12/16 総務省HPより)

具体的には「R値」「パケット損失率」などの品質規定の一部を緩和するとともに、「アナログ電話と同等の安定性」という一律の品質条件を緩和し、「総務大臣が別に告示するところに従い、伝送役務の安定性が確保されるよう必要な措置が講じられなければならない」と、さまざまな技術的方式による品質確保への可能性を開いている。

上記資料によれば、これは2013/06/14の「規制改革実施計画」の閣議決定にもとづく「IP電話サービス分野におけるイノベーションや競争を通じた新ビジネス創出を促進する観点から、0AB-J IP電話番号取得の品質要件の見直しにつき、安定品質要件の要否を含め検討を行い、結論を得る」という決定から来たものだ。

つまり、日本政府としては、明らかに、国内のインターネット通信品質が全般的に改善している現状をふまえ、消費者が0ABJ型IP電話を選択しやすいように、企業間の競争を促す方向に進んでいる。

結果的に050型IP電話は、より通信品質の低い「その他のIP電話(LINE、Skype等が該当)」のカテゴリへ事実上、徐々に「降格」されることになる(上記報告書の「参考資料」スライド5を下図に引用する)。

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日本企業は、こういった日本政府の方針をふまえれば、今2015年のタイミングで、業務に利用するIP電話として050型IP電話を選択する余地があるのかどうか、冷静に判断する必要があるだろう。