サイボウズのクラウド型開発基盤「kintone」は古風な企業にもピッタリ

三菱ふそうって、三菱自動車と違ってまだダイムラー傘下に残っていたんですね。

だからこそなのかもしれないが、三菱ふそうが1,000ユーザ規模の販売管理・顧客管理システムをセールスフォース・ドットコムではなく、サイボウズ「kintone」で開発して短期間で本稼働させたという事例がITmediaエンタープライズに掲載されていた。

『三菱ふそうが変えた「昭和の仕事」』 (ITmediaエンタープライズ 2014/12/22 13:00)

この事例を読むと、現場レベルのコテコテの「昭和の仕事」は、僕が過去に勤務した大手メーカーでの経験からもかんたんに想像がつく。手書きの管理帳簿やホワイトボードの行動予定を電子化するという、かなり原始的なところから始まるシステム化の事例と言える。

保守的な社風と思われる同社が、日本初のクラウド型開発プラットフォーム(PaaS)サイボウズの「kintone」を選択したのは、自社の実力を冷静に見きわめた上での判断なのだろう。

過去にLotus Notesでデータベースの乱立を経験したことがある、といったレベルの保守的な社風の日本企業であれば、せめてそこから一歩踏み出そうというときに「kintone」は低リスクで確実に結果を出せる選択だろう。

セールスフォース・ドットコムのような敷居の高い「アングロサクソン型」ソリューションまで行ってしまうと、そもそも月々のライセンス料が「kintone」と比較してはるかに高額であることと、事前の業務プロセスの定義をしっかりやる必要があるので、保守的な社風の日本企業にとっては敷居がかなり高いはずだ。

費用も高く、事前の要件定義の敷居も高いので、保守的な社風の日本企業にとってセールスフォース・ドットコム系の業務システムは明らかにハイリスク・ハイリターンな選択だ。

小さく作って大きく育てるというリスクの低い展開方法をとる場合も、低コストで実現できる「kintone」の方が有利だ。

というのは、システムのしくみや使い方を従業員が修得するための教育コストも、工数(人件費)という形で確実に発生する。一つのシステムを使い始めてしまうと、そう簡単に別のシステムに乗り換えるわけにはいかない。

また、海外展開が必要な企業の場合でも、日本語・英語・中国語対応で十分であれば「kintone」で用が足りる。

「kitone」同等のコストで、どうしても海外発のクラウド型ソリューションを選びたいならZOHO Creatorという選択肢がちゃんと存在する。日本語、英語、中国語はもちろん、なんと20言語にも対応している(そんなに必要な企業の想像がつかないけれど)。

ZOHO Creatorはコスト面では1ユーザ毎月15ドルで「kintone」と同等。しかもZOHOはガートナーの製品評価「マジック・クアドラント」にもニッチプレーヤーの位置づけながら入選している。つまりグローバル売上高などの足切り基準をクリアした製品ということだ。

当たり前のことだが、クラウド型の開発基盤ソリューションを選定するにしても、まず自社の社風や実力を冷静に見きわめること、そして異なる価格層の製品も含めて、第三者に頼らずに情報収集することが重要である。

製品選定を間違うとすれば、当たり前のことをやっていないだけのことだ。