「地方の小さな町が住民のマイカーを禁止して路線バスに乗り換えさせつつ路線バスの運営会社の社員はマイカーに乗り続けるとしたら」問題

地方の小さな町の路線バスの経済性について考えてみよう(いきなりか)。

地方の小さな町なので、それぞれの世帯はすでにマイカーを持っている。大家族はバンなど大きめの車、お金持ちはベンツ、子育て中の各家族は軽のミニバンなど。

要はそれぞれの世帯に合った車を持っているとする。

そこへ地方自治体が路線バスを運営しようとするとしよう。その理由は、各世帯が別々にマイカーを維持するよりも、路線バスの方が経済的というものだ。

地方自治体は外部の世界とは独立して経済活動を営んでいると仮定して、自治体の外へ出かけるときには車は使えないとしよう。

それぞれの世帯が出かけたい時間にできるだけ合わせようとすると、バスの運行本数を増やす必要があり、運営コストが高くなる。

路線バスの運営コストの低減を優先させれば、できるだけ運転する便数を減らして、その時間に強制的に合わせて、各世帯に活動してもらうようにすればいい。

ただし、ここからがポイントなのだが、路線バスを運営している会社の社員は、その自治体の中でマイカーを乗り回してもいい。自分の世帯にぴったりのマイカーを買って、好きなときに出かけられると仮定する。

そんな地方の小さな町の各世帯に、マイカーをやめて路線バスに乗ってくれと説得するには、どういう方法があるか、という問題。

「自治体全体として経費節減になるから」というのは確かにそうだけれど、各世帯の住民から「あなたたちはマイカーを持ってるじゃないか」と反論されたらどう説得するか。

「仕方ないので運行する本数を増やしてあげるよ」と言いたいところだが、すると運営コストが上がってしまうので元も子もない。

なかなか難しい問題。

というより、普通はこんな無茶な要求に納得する世帯は出てこない。「まずはあなたたちがマイカーをやめるべきだ」という意見がまっとうすぎるから。

じつはこの問題、難しくもなんともなくて、この自治体の大きさ次第。路線バスの運用コストは低減するにも限界がある。

世帯数が多ければ多いほど、路線バスの運行本数を増やしても、協力してくれる世帯数の割合が低くても、採算がとれる。

規模の経済を生かせないサイズの自治体で、各世帯のマイカーを路線バスに集約し、しかも路線バスの運用会社の社員はマイカーを使っているという状況では、よほど路線バスの運用会社が強権発動しなければいけない。

まあ、ちょっと考えれば当たり前のことだ。何の予定もない祝日は、こういう当たり前のことを考えるのにぴったりな日。

※追記:ではこの地方自治体は、何もせずに手をこまぬいている他に何ができるのか。お分かりだろうか。

その解答の一つは、各世帯のマイカー所有は認めるが、車種を統一し、そのメーカーの販売店と値引き交渉をするというものだ。

そして地方自治体はその車種にあったタイヤなどの消耗パーツを集中購入して、やはり値引き交渉する。そうすれば町全体として、マイカーの維持コストを低減できる。

車種を統一するが、マイカーの利用は認めるというやり方で、自治体の人口規模によっては最適なコストを実現できるはずだ。