コンサルの苦言は聞くのに、中途採用者の苦言は聞き流す日本企業の体質

企業が即戦力として中途採用者を採用する目的はいったい何なのだろうかと考えこんでしまう。

中途採用者を完全に自分の企業の組織文化に染め上げてしまう目的なら、中途採用するのではなく新卒社員をていねいに育てればいいだけの話だ。

単に手が足りないなら、派遣社員や業務委託をすればいい。

あえて経験者を正社員として採用するのは、自社の組織文化を客観的に評価して、改善すべきところの意見を出してもらい、かつ、正社員としてそれを実行してもらうためではないのか。

にもかかわらず、日本企業は往々にして、経験者をいったん正社員として採用してしまうと、もう「第三者の視点」を期待しないきらいがある。むしろ「第三者の視点」であれこれ文句をつけると、例によって「協調性がない」という幼稚園児みたいな理由で組織から排除されてしまう。

そしてわざわざ高い費用をかけて外部のコンサルや委託先業者を使い、初めて「第三者の視点」で社内の問題点を指摘してもらうという壮大な費用のムダづかいをしている。

転職歴が他人より多い僕が、外部のコンサルや委託先業者の出してきた「御社の課題」を見ると、僕がとっくに気づいて指摘している項目がたくさん見つかる。

なぜ僕が指摘しても改めようとせず、外部のコンサルや委託先業者に指摘されて初めて改めようと思うのか。それは単純に、生え抜き社員の無駄なプライドのせいだろうと考えている。

生え抜き社員は、すでに正社員になった中途採用者を無意識のうちに下に見ており、自分が「愛する」会社についてとやかく言われたくないという感情的反応が先行するのだろう。

外部のコンサルや委託先業者は、費用をかけている分、効果を出さなければいけないという、経営層への負い目があるので、指摘された問題点を真剣に考える。

日本企業の組織文化が高度成長期の文化から抜けだせず、停滞しているとすれば、その大きな原因の一つは社歴の長い「生え抜き社員」の無駄なプライドである。