少しヘンな同僚がアスペルガー症候群だと分からない日本人会社員たち

あなたの職場にも一定の割合でアスペルガー症候群の人がいるはずなのだが、僕が思うに、この症候群の存在さえ知らないサラリーマンが多すぎるので、困ってしまう。

自閉症スペクトラムのうち、アスペルガー症候群の人たちは知能レベルには問題なく、コミュニケーションに問題がある。

なので、特に日本企業のように「あうんの呼吸」を求める職場環境の場合、アスペルガー症候群の人たちは能力のない人材であるとか、今までの職場で甘やかされてきた人材だという、間違った評価をされてしまう。

僕が在籍した職場にも、今の職場にも、明らかにアスペルガー症候群の人がいたことがある。

上司や同僚の出した指示とズレた結果を出したり、緊迫して対処すべき場面でヘラヘラしていたり、そういうことをくり返した結果、能力がないという評価をされてしまう。

そして、派遣契約を切られたり、常駐要員から外されたりしているのを何度か見てきた。

もし会社としてアスペルガー症候群の人間を受け入れる素地がないなら、本当は望ましいことではないけれども、最初からアスペルガー症候群の人間と契約しなければいい。面接や打合せのときにふるいにかけるべきだ。

アスペルガー症候群という病気の存在さえ知らないまま、アスペルガー症候群の人を雇って、数か月にわたってなじったり、叱り飛ばしたりした末に契約を切る。そんなことをするくらいなら最初から契約しないほうが良い。

もちろんいちばん望ましいのは、日本の一般の会社員も自閉症スペクトラムというものが存在することを知って、「ちょっとヘンな人」でも指示の出し方や仕事の与え方によっては、ちゃんと成果が出せるということを理解することだ。

でも、日本の会社員って「普通」という枠からちょっとでも、ちょっとでも外れた人間についての知識が全くないんだよね。「普通」の枠から外れた事柄については、驚くほど無知だ。

昼休みはみんなで昼食に出かけて、喫煙者どうしは連れ立って喫煙室に雑談しに行って、定時後は飲みに行って、土日は職場の同僚とゴルフに行って、といったようなのが、典型的な「ザ・昭和サラリーマン!!」。

その「ザ・昭和サラリーマン!」の枠から外れた会社員について、彼ら自身まったく理解する能力がない。だから変人扱いすることしかできないんだよね。

絶望的なほど視野が狭くて、価値観が固定化してしまっている。

だから日本企業の組織は多様性を失って、みんなが同じような能力しかもっていないから、結果的に仕事が労働集約的になり、夜遅くまでズルズルと残業し、いつまでたってもホワイトカラーの生産性が欧米に追いつかないってことになるんだけど。

そのことを経営層から平社員まで、いまだにほとんど理解していない。絶望的なほど理解がない。

グローバル化を言うなら、まず日本本社で外国人を雇用すべきだけれど、日本人のアスペルガー症候群の社員とさえいっしょに仕事ができないくらい「画一化」「均質化」された組織では、外国人を雇用するなんて、夢のまた夢なのは当然だ。

こうやって典型的な日本企業は長期的に、おしなべて日本ローカルのこじんまりした会社へとしぼんでいくわけです。