海部美知さんの思想は適切だが表現方法で失敗している件

たまたま海部美知さんのツイッターをフォローしている関係で、2ちゃんねるで炎上したらしい日経ビジネスオンラインの記事は既読だった。

『シリコンバレーに戻ってきた日本の企業たち 「ヨーロッパ並み」とはどういうことか』 (日経ビジネスオンライン)

なので途中、「(余談ながら、あの「おーいお茶」という男尊女卑的な響きのある商品名は何とかならないのか、と思うのだが…)」という部分も、個人的にはほくそ笑みながら読んだ。

ただ、これが2ちゃんねるの右寄りのみなさんにとって「カチン」と来る余計な傍白であることは、ちょっと考えれば分かることだが、海部美知さんご自身は「この点にこんなふうにムッとする人がいるとは思いもよらなかったので、勉強になりました。『あはは』で終わるかと思っておりましたので、確かに読者がどんな人であるかの自覚が足りませんでした」(筆者あての返信ツイート)とおっしゃっている。

海部美知さんはツイッターでもごくたまに、日本国内の政策や日本のテレビCMの女性差別的な側面に言及されるのだが、失礼ながらその指摘の仕方、表現方法が「古い」のだ。

何が「古い」のかと言えば、海部美知さんのフェミニズム言説の表現方法が啓蒙主義的すぎる点である。つまり、フェミニズムを理解している人々は無条件に、それを理解していない人々よりも優れているという「選良主義」がにじみ出てしまっているのだ。

でもそれは仕方ない。

海部美知さんはアメリカ西海岸在住でコンサルティングのお仕事をなさっているようなので、ただでさえ日本でガラパゴスな生活をしているコテコテの日本人を見下す「名誉白人」的な観点を、無意識のうちにとらざるをえない。

ちょうど外資系での勤務経験がある僕自身がそうであるように。

そこへフェミニズムが合わせ技で来るのだから、海部美知さんのフェミニズム言説の表現方法は、場合によっては日本人女性をも、彼女の主張に賛同できる女性とそうでない女性に分断する力を持っている。

差別に反対する言説が、かえって分断を産み出してしまうというのは、過去に反差別の左翼運動がイヤになるほど経験してきたことなのだが、海部美知さんはそのことに無自覚すぎる。

おそらく今後も海部美知さんは選良主義的な表現でフェミニズムを語り続け、反対意見の人々を納得させることに失敗し続けるだろう。