トヨタ型の時代錯誤な幻想を追い求めつつ緩慢に自殺していく日本のサラリーマン

トヨタ自動車を元にしたTBSの『LEADERS』というヒドいドラマの後半だけ観ましたが、これ観て「やっぱり日本企業の底力は素晴らしい」などと感動する人間は、日本の凋落という現実から逃避したい人たちなのでしょう。

日本の凋落はれっきとした現実。

もはや自動車のような加工輸出型の製造業を経済の基軸にできないにもかかわらず、その典型であるトヨタ自動車をテーマにドラマを作ってしまうTBSの時代錯誤は救いようがありません。

その救いようのない時代錯誤にまんまと「洗脳」されて、あのドラマを見て感動するようなサラリーマンが、日本にまだゴマンといるからこそ、日本はいつまでたっても高度経済成長期の成功モデルから抜け出せないということです。

家族のように情緒的な人間関係を基礎とする従業員の強い団結力は、その「外部経済」として、ドラマに出てきたような男女の性別役割分業に依存しているわけです。

結果、女性労働力は永遠に周辺労働力のままで、知的集約型労働に必要なホワイトカラーの生産性も向上しない。

いまだに個人の能力よりも、組織や上司への滅私奉公が出世の基準になるため、組織の古い価値観をいつまでたっても変えることができないまま、ゆっくりと没落していく。それがほとんどの日本企業の姿でしょう。

まあそれでいいわけです。

AKB48グループのように、日本的サラリーマンの生態を戯画化し、エンターテインメントに昇華している分には、それを横から見て自虐的に楽しめばいいわけです。

ところが、そうやって戯画化する程度の価値しかない日本的企業の組織文化を、何の疑いもなく自ら日々実践しているサラリーマンが、日本には掃いて捨てるほどいます。

昭和の製造業の成功モデルや、昭和のサラリーマンの行動様式を、何の疑問もなく反復しているだけのサラリーマンこそ、現代の日本企業を没落させるガンなのですが、ガン細胞には自分たちがガン細胞だという自覚がないので仕方ありません。

自覚のないガン細胞は、他人から希望を奪い取り、場合によっては直接・間接さまざまな方法で他人を死に追いやり、自分はますます増殖します。

自分たちの方法論が増殖してはいけないんだと、彼らが万一気づいたとしても、そのときにはすでに、この社会は瀕死の状態かもしれませんね。