埋没費用をわかっていない人間は意思決定すべきでない

埋没費用(または埋没原価)を正しく理解していない人間は、本来、会社組織で意思決定する立場になってはいけない。
しかし、ほとんどの日本企業の、ほとんどの会社員は、たぶん埋没費用を正しく理解していない。「もったいない」という「精神論」だけで、誤った意思決定をすることが多い。
まずウィキペディアでお勉強。映画を見に行った例で、わかりやすく説明されている。
埋没費用(ウィキペディア)
ある時点で意思決定するにあたり、複数の選択肢のうち、どれを選んでも取り戻せない費用が埋没費用である。
しかし、ほとんどの会社員はこれを理解せず、「精神論」で意思決定してしまう。
例えばこんな具合に。
「今までこれだけ費用をかけたんだし、みんな頑張って仕事したんだから、そう簡単に方向を変えるわけにはいかないでしょ」
要するに「もったいない」と考えて、誤った意思決定をする。
本当は、今までかけた費用や、今までみんな頑張って仕事をした人件費は、埋没費用であり、取り戻せないお金だ。
埋没費用を「もったいない」と思うことが意思決定の誤り、ということは、下記のページにもある。
埋没費用 – サンクコスト(sawazaki communication network)
別のホームページにある埋没費用の説明を見てみる。こちらは競馬のレースのたとえ。
埋没原価とは(N’s spirit 投資学研究室)
最後に、かなりマニアックなのは、ニコニコ大百科の解説。
埋没費用(ニコニコ大百科)
6,000円で買ったゲームがあまりにつまらなかった場合、という例で説明されている。ゲーマーなら身にしみて分かるかもしれないが…。
この、埋没費用を「もったいない」と勘違いすることによる意思決定の誤りは、日本の会社員がやらかす、いろいろな意思決定の間違いの一つにすぎない。
まあでも日本の会社組織では、一般的に言って、合理的な判断力よりも、人付き合いの良さや声の大きさなど、合理性とは無関係なところで、出世するかどうかが決まる。
つまり、日本の会社組織で出世して、意思決定をする立場になった人々は、往々にして合理的な判断力が弱い。
この現実は僕一人が頑張ったくらいで変えようがないし、たぶん今後も数十年変わらないだろう。
もはや円安に依存した労働集約型の、日本の製造業の牽引力は失われている。
だから、本来は合理的な判断力による経営へ変わらなければいけないのだが、日本の会社組織はおかしなほど「昭和」のままである。
そして「昭和」的組織のまま、世界市場の東の端で、少しずつ埋没していくのであった。