さもありなんのソニーの凋落

2012/04/12ソニーが国内外で約1万人の人員削減を含む新しい経営方針を出したが、さもありなんという感じだ。
個人的にいつもチェックしているAndroid系の英語ウェブサイト「Android Police」に、2012/04/19ソニー・ウォークマンZの評価記事が掲載された。
[Review] Sony Walkman Z: A Few Great Ideas Wrapped In A Flawed And Outmoded Device (2012/04/19 Android Police)
タイトルからして辛辣で「いくつかの素晴らしいアイデアが、欠陥のある時代遅れの端末に」となっている。
見た目は美しいが、大きすぎて持ち運びづらいし、今さらAndroid 2.3などという古いバージョンのAndroidだし、専用ケーブルでないと充電できないし、最下位モデルの内部メモリの有効容量は8GBのうちたったの4.6GBで、外部メモリ用スロットがないし、ソニー製の専用ソフトウェアでなければ著作権保護された音楽ファイルの転送ができないし、外形からしてゲームに最適なのにプレイステーション用ゲームソフトは使えないし、iPodにはあるカメラがないし、iPodにはある液晶の明るさの自動調節機能もない。
これで最下位モデル8GB、250ドルというのはぼったくりだろう、というようなレビューだ。
僕自身、ソニー関連のサービスでイラッと来たものがある。PC用の音楽ネット配信サービス「モーラウィン」の廃止と「モーラ」への統合だ。
ご承知のように、「モーラ」の運営会社であるレーベルゲートは、ソニーが中心になって設立された音楽ネット配信サービスで、明らかにiTunesへの楽曲提供を拒否したソニーがiTunesへの対抗策として立ち上げたものだ。
この「モーラ」だが、単にポータルサイトが統合されるならいいが、最悪なのはWindows Media Playerが使えなくなったことである。おそらくソニーは自社の著作権を保護するために、マイクロソフト社の著作権管理機能に依存するのをやめたのだろう。
その結果、ソニー製の専用プレーヤーをインストールしなければ、「モーラ」からダウンロードした音楽は聴けなくなった。きっとモーラの音楽配信売上は、相当落ち込んでいるに違いない。
もちろんiTunesもApple社独自のソフトウェアだが、Apple社はすでにiPod、iPhone、iPadなどでグローバルなエコシステムを成立させている。
一方、「モーラ」は日本国内向けのサービスだ。ただでさえ利用者が日本国内に限定されている音楽配信サービスを、さらに専用ソフトウェアのインストールを要求することで敷居を上げるというのは、狂気の沙汰だ。
しかもこのソニー製の専用ソフトウェアのインストールには、Intel Core i5(Sandy Bridge)マシンでも気が遠くなるような時間がかかった。
いずれにせよ、以前はたびたびモーラウィンで1曲単位で楽曲を購入することもあったが、今はモーラを使おうという気には一切ならない。
ウォークマンや音楽配信サービスで、これだけ消費者の利便性を無視した商品・サービス提供をするという失態を展開しているのだから、業績悪化は当然だろう。
著作権の必要以上に厳格な保護にしても、時代遅れのAndroid 2.xデバイスにしても、ソニーもやはり他の国内電機メーカーと同じように、ガラパゴス化の落とし穴に自らはまっている、としか言いようがない。