まだ油断できない日本国民の原発事故の認識レベル

野田首相の事故収束宣言には、ただただ暗澹たる気分になる。
首相が野田氏に交代してから、民主党全体のスタンスが政権交代直後に比べて、旧来の自民党的な方向への大きなバックラッシュが起こってしまっている。何のための政権交代だったのか、今となってはほとんど意味がなかったと言っていい。
NHKの報道でさえ、福島第一原発事故については「収束」させる方向へ舵を切っているように見える。たとえばこの動画。
「NHK「冷温停止宣言」野田首相記者会見中継を打ち切られた部分」(2011/12/16 YouTube)
フリージャーナリスト神保哲生氏の、政府の事故収束宣言の欺瞞を突く質問がバッサリとカットされたことを見ても、その危惧は十分にある。
昨夜2011/12/18のNHKスペシャル『シリーズ原発危機 メルトダウン~福島第一原発 あのとき何が~』には、ツイッター上でも賛否両論あるようだ。
僕自身を含め、福島第一原発事故の後、9か月間にわたって既存のマスメディアの欺瞞を追い続けてきた人たちにとっては、たしかに物足りない内容で、むしろ東京電力の現場作業員を弁護しているようにさえ見えたかもしれない。
ただ、すでにインターネット上では「常識」になりつつある、政府発表やマスメディアの大ウソにまだ気づいておらず、マスメディアにしかふれていない「素朴な」国民というのは、残念ながら一定数存在する。
それは野田首相の支持率が、彼の何の節操もない政策変更にもかかわらず、おそらく「人がら」だけで40%に近いことからもわかる。多くの日本国民の「民度」というのは、まだまだその程度のものだ。
なので、昨夜放送のNHKスペシャルは、野田首相による事故収束宣言直後のタイミングであの番組を見れば、「冷温停止状態」などということが完全にナンセンスだということが分かるだけでも、放送された価値があると見なすべきだ。
ついてこれない「愚民」は切り捨てる!というのでは、状況全体を変えることはできないだろう。
この週末もUSTREAMで、京都大学の小出助教が北九州の講演会で、いつもの話をされている様子が生中継されていた。
『2011/12/17 小出裕章講演会 in 北九州』(2011/12/18 IWJ_FUKUOKA)
残念ながら日本の現状は、小出助教のような専門家が地方にまで出向き、一般市民に語りかけなければ、マスメディアや政府発表のウソをひっくり返すことができない、まだそういうレベルにあるということだ。