ドイツZDFの『福島原発事故、その後』日本語字幕文字起し

ドイツのテレビ局ZDFの『Frontal 21』という番組で、福島第一原発事故のその後がレポートされた。
YouTubeにアップロードされていた動画は、福島第一原発の水素爆発の場面を無断で使われたという理由で、日本テレビ系列の福島中央テレビによる申し立てて削除されている。したがって、ここには日本語字幕だけ文字起ししておく。
もとにした動画はtwitvidにアップされているこちら
なお、この日本語字幕を作成したのは、こちらのブログCANARD PLUSの筆者の方のようだが、字幕を作成しました、という報告のエントリーは削除されており、Googleのキャッシュにしか残っていない。
また、僕のブログ記事よりも正確なまとめ記事を教えていただいたので、リンクを張っておく。
『ドイツZDF作成のFrontal21 「福島原発事故、その後(日本語字幕)」動画の、元番組の動画、フルテキスト、関連リンクなど』(2011/08/31 ブログ『メモノメモ』より)
ドイツZDF Frontal 21 「福島原発事故、その後…」
日本屈指の豊かな農地福島県。都会の人の観光地としての人気だ。原発事故でその広域が汚染されてしまったのだ。
大沢さん(61歳)は本宮の農家。原発からは80キロ離れている。畑で採れたジャガイモ・ナス・ネギを、隣町の市民放射能測定所に持ち込んだ。
原発事故以来自分で栽培した野菜は食べていない。放射能汚染を恐れたからだ。
大沢さん:「政府の発表はもはや信用できない。最初から事態を小さく見せようとばかりしている。直ちに健康に害がないの繰り返し。正確な数値も出さない。まともな測定もしない。汚染問題の中にみんなを放置した」
事故後大沢さんはすぐ作物の検査を行政に依頼したが、「畑は20・30キロ圏から遠く離れている。検査の必要はない」と断られた。
市民放射能測定所の意見は正反対である。汚染のない作物はない。特にセシウム137がひどいからだ。
市民放射能測定所:「こんな汚染数値の場所は本当は絶対避難するべきです」
大沢さんのジャガイモも例外ではなかった。原発から60キロ離れた伊達市のシイタケからは、1キロあたり7000ベクレルの汚染が測定された。基準値は500ベクレルだ。
市民放射能測定所・ハセガワ氏:「もはや食べ物ではなくて放射性廃棄物です」
汚染調査は本来県の食品衛生検査所の管轄だが、ほとんどパンク状態である。コンセプトもない。人手も計測器の数も追いつかない。
食品衛生検査所・アラカワ氏:「一般の方の検査はお断りせざるをえません。我々が選んだサンプルを検査し判断を出しておりますが、それだけで手一杯の状態です。市民の検査も引き受けたら、役所の仕事に手が回りません」
我慢強い日本人もだんだん食品の汚染問題に気付きはじめている。野菜、緑茶に続いて牛肉、原発を所有する東電の反応は?
今までと同様、ノーコメント、管轄外の一点張りだ。
東京電力・ヒトスギ氏:「私達の仕事は原発の中です。測定は国と地方行政の管轄で私達はお手伝いするだけ。ですからコメントできません」
大沢さんの農作物検査結果について我々が質問すると、原発担当大臣はうろたえるばかりだった。危機管理担当の役人達は長々と書類をチェックしたあげく、大臣はついに不備を認めた。
細野原発担当大臣:「万全の監視体制のつもりでしたが、牛肉問題で検査の強化の必要が認められました。今後汚染食品が出回ることを防止しなければなりません」
一方グリーンピースは独自の調査結果を発表。魚も汚染されていた。
グリーンピース・Jan van der Putte:「魚は相変わらず高濃度のセシウムに汚染されています。原発から55キロ離れた所まで調査した魚の半分が、基準の500ベクレル/キロを大きく上回っていました。汚染が広範囲であることを物語っています」
日本人の主食、米も同じ運命のようだ。
大沢さんの田んぼの土は二度検査所に提出された。最初の検査は合格したが、二度目の結果は公表されない。
大沢さん:「今年も作付けを出来るか知りたかったので、自費で独立の研究所に検査をしてもらった。3万5千ベクレル/キロのセシウム137が検出された。基準値の7倍だ。米作りはあきらめた」
福島市のほとんどの住民はこうした汚染数値を知らされていない。おりしも夏祭り、売られている物は何でも食べる。空中線量が下がって以来、人々は日常生活に戻った。
子供の被曝許容量が20ミリシーベルト/時に引き上げられたことへの怒りも、忘れ去られたようだ。
英国クリストファー・バスビーのような専門家は、まさにそのことに警鐘を鳴らす。
バスビー:「日本政府の無責任ぶりは犯罪的だと思う。子供に平気で高い被曝をさせている。都合がいいというだけで短期間でこれほど基準を変えてしまうとは、この判断は間違いなく多くの子供を死に至らせるだろう。文明国のやることとは思えない」
だがここはまさに原子力ムラの国なのだ。権力を握る電力会社、政治家、官僚が原発のあらゆるスキャンダルを隠蔽し、大したことがないように見せてきた。
何兆円ものビジネスを守るために、今回も同じ手段を使おうとしている。大沢さんはまさに文字通り、それを「身」をもって体験した。
大沢さん:「自分の体がどれくらい放射能被曝しているか検査したかった。だが福島の大学には拒否された。市民の検査はしないと。友人は隣の県の病院に問い合わせた。ところが福島県知事から福島県民の診察を受け入れないように指示されているそうだ」
そのような指示の出された事実はないと当局は言う。しかし大沢さんは農家を捨てなければならない。自宅で毎時90マイクロシーベルトを測定したのだ。9日間でドイツ原発作業員の年間許容量に達する数値だ。原発から80キロも離れた場所なのに。
バスビー:「これは人間の想像力を越える惨事です。制御不能の状況であることは当初から明らかだった。どうしたらいいのか誰にもわからないし簡単な答えもない。これは人類史上最悪の惨事だと思う」
福島の至る所に人々はひまわりを植えた。土の中の放射能を吸収すると言われている。
(日本語字幕文字起しここまで)
なお、このレポートに登場するクリストファー・バスビー氏とは、欧州放射線リスク委員会(ECRR)という市民団体の科学事務局に所属している。
Christopher Busby (Wikipedia)
*元の日本語字幕で「福島大学」となっている部分は、ドイツ語のナレーションは「Universitaet von Fukushima(福島の大学)」であるというご指摘をいただいたので、字幕を作った方には無断ではあるが修正しておいた。
*「5万3千ベクレル」という部分は、基準値の5倍という文脈からも、実際の発音からも「3万5千ベクレル」が正しいとの指摘があったので、こちらも字幕を作った方には無断だが修正しておいた。
*さらに修正。本宮は福島第一原発から80キロというのは誤りで、実際は50~60キロの距離とのこと。これはZDFの誤りらしい。こちらのツイーとを参照⇒ https://twitter.com/#!/yagihexe/status/109189825600552960

ドイツZDFの『福島原発事故、その後』日本語字幕文字起し」への1件のフィードバック

  1. メモノメモ

    ドイツZDF作成のFrontal21 「福島原発事故、その後(日本語字幕)」動画の、元番組の動画、フルテキスト、関連リンクなど

    いわゆる「ドイツZDFのフロンタール21で放送された 『福島原発事故、その後(日本語字幕)』」動画について、 日本語字幕版ばかりが広まっているので、ドイツZDF

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