山根一眞氏の放射線量にかんする初歩的ミス

山根一眞氏の恥ずかしいくらい基本的な間違いを、日経ビジネスはいつまで放置するのだろう。こちらの記事の冒頭だけご覧いただきたい。
『「即死ポイント発見」でも動かぬか!~造血幹細胞の事前採取、不要見解を巡るヤミ』(2011/08/19 山根一眞)
山根一眞氏は「マイクロSv」「mSv」「Sv」と「マイクロSv/h」「mSv/h」「Sv/h」を混同するという、致命的なミスをおかしている。
山根一眞氏自身が作成した「放射線被ばくによる人体への影響」という図でも、本来は実効累計線量なので、単位は「/h」のない「mSv」であるべきところを「mSv/h」としている。
そして明らかに誤った文章が登場。
「1万mSv(=10Sv)の放射線を浴びればほぼ即死とされるが、東京電力の作業員3人が長い棒の先端にとりつけた線量計で測った値は、計測可能最大線量である『10Sv/時』を振り切ってしまった。つまり、即死量を上回る線量だったのである」(同記事1ページ)
福島第一原発の敷地内で10Sv/h以上の線量の地点が見つかったのは事実だし、10Svの放射線量を浴びれば即死なのも本当だろう。
しかし、10Sv/hの線量の地点で10Svの放射線を浴びるには、その場に1時間じ~っと立っている必要がある。「/h」というのはそういう意味だが、測定器のメーターが10Sv/hを振り切っているのに、誰がその場に1時間もじっとしているだろうか。
つまり、この山根一眞氏のコラムの題名、「即死ポイント発見」という表現そのものが誤っているのだ。10Sv/h以上の線量の地点は、危険であることには違いないが、決して「即死ポイント」ではない。この「即死ポイント」という表現は明らかに誤解を生む。
昔からテレビでよく拝見する山根一眞氏も63歳、もうお年なのだから、冷静さを失って基本的なミスをおかすと、肝心の原発作業者の造血幹細胞の事前採取という主張が、誰の耳にもとどかなくなると思うのだが。