alanの15thシングル『みんなでね/「生きる」』のイベントに参加して

2011/07/09(土)ラゾーナ川崎でのalanのニューシングル・プロモーションのミニライブを見に行ってきた。先週の土曜日、渋谷のMONO(コムサ)、日曜日、新宿のTOWER RECORDSのミニライブの両方にも参加した。

今回の両A面シングルの1曲は、上野動物園にやって来たパンダの気持ちを歌った曲で、かつ、MONOコムサで販売中のCandy BEAR’sというキャラクターグッズのテーマ曲『みんなでね~PANDA with Candy BEAR’s~』だ。
Candy BEAR’s公式サイト
ラゾーナ川崎のミニライブには、先週土曜日にも登場した、Candy BEAR’sのうちの2匹のパンダ、「パンヤン」と「パンジー」の着ぐるみが登場した。
で、今日は何が書きたいかというと、やはりalanの才色兼備を生かしきれていないのは、マネジメントをやっているエイベックスのせいだろう、ということ。
いつ生歌を聴いても、低音から高音まで抜群の安定感のあるボーカル。ルックスも中国の少数民族(チベット族)だけあって、エキゾチックな美人。
ラゾーナ川崎は、新宿タワレコのような小さな会場と違い、屋外なので、何千人という通りすがりの、さまざまな年齢層の買い物客が、alanの新しいファンになる可能性がある。
ところが、ミニライブの演出はその可能性を見事なまでムダにしていた。
alanの熱心なファンはステージ前に密集する。せいぜい200人ほどなので、ステージの周囲だけに人だかりができる程度。
そして、通りすがりの買い物客の皆さんは、ステージのある2階ではなく、3階や4階のデッキから、かなりの遠くにステージを見下ろす方が多い。3階、4階からでは、alanが人差し指くらいの大きさにしか見えない。
ところが、1日2回のミニライブのうち、14時からの炎天下の1回目で、alanは明るいベージュのトップス、白のシフォンスカート。ラゾーナ川崎の真っ白なステージの「保護色」になってしまう。
しかも「パンヤン」と「パンジー」の着ぐるみは、本物のパンダなら白黒のところ、「パンヤン」は白とオレンジ、「パンジー」は白と明るい紫色でよく目立つ。主役のalanより、着ぐるみが目立つのはおかしい。
別にAKB48のようにコスプレっぽい衣装を着ないまでも、せめてオレンジか明るいパープルのワンポイントをアクセサリーで入れるとか、そういう「見せる」ための工夫をもう少しできないものかと感じた。
そして曲間のMC。alanの日本語があまり上手くないのはやむを得ないが、それでも『懐かしい未来~longing future~』など、初期のシングルの曲紹介くらいは、丸暗記してすらすらと口から出てくるようにするべきだろう。
実際にラゾーナのライブではMCが間のびして、通りすがりの人は、聞き取りづらくてきっと立ち去ってしまうだろうと感じた。
alanはデビューしてすでに3年半強、もう新人とは言えないのだから、せめて持ち歌の歌詞とMCの日本語くらいは完全に暗記した方がいい。人によっては「観客に甘えているのか」と解釈されるおそれがある。
こういう細かいことのために、alanの圧倒的な歌唱力が日本の幅広い聴衆に受け入れられないのは、端的にムダだ。

また昨日、2011/07/10の夜に、alanが同じエイベックス所属の古坂大魔王と出演し、みんなでいっしょに1stコンサートのDVDを見よう、という企画があった。
「alanと一緒にファーストコンサートを振り返ろう!DVD視聴会 」(高画質対応)
累計来場者数は24,240人で、たまたま同日に再放送のあった初音ミクの米国コンサートと時間帯がダブらなかったせいか、そこそこの来場者数になった。
(ちなみに初音ミクの米国コンサート再放送は、1,500ポイント(1,500円相当)の有料放送なのに、累計来場者数50,042人)
1年半前のコンサートのDVDを観て、生放送の最後でalanは感極まって泣いてしまった。それもかなり長い時間。司会の古坂大魔王が懸命にフォローし、最終的には白いA4用紙にニコちゃんマークを書いて、alanの顔を隠してあげたり、やさしい気づかいを見せてくれた。
が、不安と孤独で毎晩のように密かに涙を流している女性タレントは、たぶん芸能界にたくさんいる。問題はそれを仕事中に、観客に見せるかどうかだ。厳しいことを書くようだが、プロとしてあそこまで涙を流し続けるのは、やや疑問だと感じた。
大きなイベントの演出として号泣するのは(例:AKB48総選挙の結果発表など)、一つのショーとして意味がある。
ただ、ニコニコ生放送で、1stコンサートのDVDをみんなでいっしょに見る企画は、今回で2回目である。そこでDVDの中で泣いている自分自身の映像を見て、感極まってalan本人が目を真っ赤にして泣き、司会者が懸命にフォローしているのを見てしまうと…。
中国から単身来日して、一度は映画『レッド・クリフ』主題歌でブレイクしかけたものの、その後の成績がはかばかしくないソロ女性歌手の心情は、察するに余りある。
しかし、同じく中国大陸から来日している、SDN48のチェン・チューや、ローラ・チャンも、日本語の問題や、タレントとしての立ち位置の問題など、alanと違う意味で相当な苦労をしているはずだ。
alanは中国政府の運営する大学の声楽科を卒業しているだけあり、中国市場に進出しているエイベックスが彼女に対して非常に気をつかっているのは分かる。
中国大陸のオーディション番組『超級女声』でスカウトされた、ごくごく普通の女の子であるローラ・チャンや、16歳ですでに来日し、日本に定住してすでに7年半のチェン・チューと状況が違うのも分かる。
それでも、カメラの前やTwitterなど、公の場で個人的な感情を出さないというのは、タレントである前に、社会人として必要なことだと考える。
そして、これらすべてはエイベックスのマネジメント次第だと考える。
アーティストのプライベートには踏み込まない、本人の主体的な意思にまかせている、というのは、マネジメントができていないことの言い訳にすぎない。
以前にも書いたが、日本社会の習慣に適応させるために、日本のホストファミリーにホームステイさせるとか、本人が嫌がってもデビュー前に体系的な日本語教育を受けさせるとか、日本のマンションでペットを飼うのを許可して、多忙なときの面倒はエイベックスが見るとか…。
こうしたことは、今さら言っても遅すぎるのだが、エイベックスは中国人女性を日本でデビューさせるにあたって、やはりあまりに楽観的で準備不足だったと言わざるをえない。
alanファンとして、彼女の実力がこんなにも少ない日本人にしか知られていないのが、非常に残念だ。