自販機を止めろという石原都知事のポピュリズム

石原都知事が自動販売機なんて止めてしまえと言っているが、この発言にどれほどの説得力があるのか検証してみる。
今日、NHKの7時のニュースで、自動販売機2台と一般家庭一世帯の平均電力使用量がほぼ等しいという報道があった。
自販機2台 = 一般家庭1世帯
一般社団法人 日本自動販売機工業会のウェブサイトによると、2010年末の飲料自動販売機の全国普及台数は259万台となっている。
「2010年末自販機普及台数及び年間自販金額」
全国の飲料自販機:259万台(2010年)
一方、東京電力のウェブサイトにある「平成22年度 数表でみる東京電力」によれば、2010年の「電灯」(=一般家庭と小規模事業者)契約口数は2,642万口。これを推計のため、世帯数に読み替える。
「平成22年度 数表でみる東京電力」
東京電力の「電灯」契約口数:2,642万口 = 2,642万世帯(推計)
東京電力管内の人口(群馬、栃木、茨城、埼玉、東京、千葉、山梨、神奈川、静岡の東半分)は、同資料によれば4,457万人で、全国人口の35%にあたる。
東京電力管内の人口:全国人口の35%
上記の自動販売機の全国普及台数259万台を、単純に人口比で日本全国に分布していると仮定すると、東京電力管内の自動販売機は、約91万台となる。
東京電力管内の飲料自販機台数:259万台 × 35% = 91万台(推計)
この東京電力管内の自販機を、すべて止めたとすると、自販機2台で一般家庭の約2世帯分なので、約46万世帯分の電力を節約できることになる。
東京電力管内の飲料自販機:91万台 = 一般家庭:46万世帯(推計)
この46万世帯は、東京電力管内の契約口数2,642万口を、単純化して約2,642万世帯と読み替えると、たった1.7%にしかならない。
46万世帯 / 2,642万世帯 = 1.7%(推計)
東京電力管内の世帯数の、2%程度しか節電効果が見込めないということだ。
そして平成11年の東京電力の「電灯」口の年間販売電力量は840億kW h、「電灯」口も含む総販売電力量は2,742億kW h。これらから「電灯」口の販売電力量の割合は30.6%となる。
840億kW h / 2,742億kW h = 30.6%
飲料自販機をすべて止めたとしても、この30.6%の、さらに1.7%しか削減できないのだから、東京電力管内の総販売電力量の約0.5%しか削減できないことになる。
30.6% × 1.7%(推計) = 0.5%(推計)
飲料自販機を止めるというのは、やらないよりはやった方がいいだろうが、電力需要全体の中で見ると微々たるものだ。これがまさに、石原都知事のポピュリズム。もっともらしいことを言って、知的レベルの低い一般大衆を手なずける手法である。
(つづき「パチンコ屋を閉めろという石原都知事のポピュリズム」
*補足:上記推計で飲料自販機台数の分布を、世帯数比でなく人口比にしたのは、かんたんに言うと、大家族の一軒家ばかりがならんでいる閑静な住宅地と、ワンルームマンションばかりの住宅地の、どちらに飲料自販機が多いか?といえば、間違いなく後者と考えられるためだ。