鬼束ちひろ『剣と楓』試聴会(ラフォーレ原宿)に参加してきた

今日、2011/04/10 13:00会場 14:00開演で開催された、鬼束ちひろニューアルバム『剣と楓(けんとかえで)』試聴会に参加してきた。運良く抽選に当たったからだ。

表参道は東京の中でいちばん嫌いな街だが、こういうときは出かけざるをえない。会場はラフォーレ原宿6階のラフォーレミュージアム原宿。30分前に着いたが、すでに観客の約8割が入場していた。
司会の高橋R&R ME BABYは、事前にネットで調べていたので、ある程度覚悟(笑)はしていたものの、予想を上回るド派手な衣装で登場。ただ、アルバムの曲解説コメントは、意外にもとてもまともで参考になった。
鬼束ちひろは60年代、70年代、デヴィッド・ボウイがそうだったように、ロック歌手がスターとして、ステージの上でまばゆいほど輝いていた、そういうスタンスを今この時代に取り戻そうとしている。
それは、Jewel Kilcherという米国のカントリー・ミュージックが、とても個人的なものとして先鋭化したところから、音楽のキャリアを始めた鬼束ちひろにとって必然的なものだったのかもしれない。
今回の試聴会で聴いたアルバム『剣と楓』は、デビューアルバム『インソムニア』から、今日の鬼束ちひろまで、彼女が吸収し、表現してきた音楽のすべてを含む、大きな振幅をもつ。
最近の彼女のエキセントリックな外見や、相変わらずぶっ飛んだインタビューなどから、完全に突き抜けたパンキッシュな作品を勝手に想像していた。
しかし、実際に聴いたアルバムは、ピアノとストリングスのみの伴奏の静かな楽曲や、ゲール語民謡のカバー、エレクトロ・ロック、アニメのオープニングになりそうなポップ・チューンなど、ひと言ではくくれない、あらゆる種類の楽曲がつまっている。
鬼束ちひろという、このアルバムをプロデュースし、作詞・作曲し、自ら歌っている歌手の固有名詞でしかくくれないような。
試聴会は全12曲を前半6曲、後半6曲に分けて再生し、それぞれが終わった後に高橋氏が解説を加えるという構成。
そして最後のサプライズとして、本当に司会の高橋氏の言うように予定外だったのか分からないが、鬼束ちひろ本人がハイテンションで登場。
いきなり質問タイムが始まり、女性の観客2人、男性の観客1人を舞台に上げて、何でも質問していいよ、ということに。
女性の観客2人は舞台から下りるとき、鬼束ちひろのハグをうけるという羨ましさ。3人目の男性の観客は自分のデジカメで、鬼束ちひろに腰に手を回してもらい、ツーショットという。
去っていくときは、最前列の観客一人ずつとハイタッチしながら下手にはけていった。終始ハイテンションで、すごいファンサービスだなぁと。この調子でライブが開かれれば、かなり楽しいライブになるはず。
あまりにハイテンションなので、逆に心配になるファンもいるかもしれないが、初めて自身で全てをプロデュースしたニューアルバム『剣と楓』を聴く限り、その心配は無用だと確信する。
鬼束ちひろの音楽の振れ幅は、まだ100%やり切っていない余地をたくさん残している。
たとえ音楽のために彼女の私生活が、一般人から見れば破天荒なものになろうとも、音楽という表現の場がある限り、私生活のすべてを些細な笑い話に変えてしまうだろう。
一曲ごとの感想は、項を改めて書きたい。
剣と楓 - 鬼束ちひろ剣と楓 – 鬼束ちひろ