NHKの受信料が会社のパソコンにも課金されるようになる

え~っ、来月2011/04から会社や自宅のパソコン1台1台にもNHKの受信料がかかるという、放送法の改正が2010/12/03に公布されていたらしい。知らなかった。
『NHK受信料の大津波がパソコンに襲いかかる!』(INSIGHT NOW!)純丘曜彰 大阪芸術大学芸術学部哲学教授
念のため「平成22年3月5日 放送法等の一部を改正する法律案」の新旧対照条文を確認した。
用語の定義をしている第二条。
改正前:
一 「放送」とは、公衆によって直接受信されることを目的とする無線通信の送信をいう。
改正後:
一 「放送」とは、公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。)の送信(他人の電気通信設備(同条第二号に規定する電気通信設備をいう。以下同じ。)を用いて行われるものを含む。)をいう。
追加された下線部分をさらに調べてみる。
ところで、電気通信事業法の第二条第一号とは以下のような規定だ。
「電気通信、有線、無線その他の電磁的方式により、符号、音響又は影像を送り、伝え、又は受けることをいう。」
そして同条第二号に規定する電気通信設備とは以下のような定義。
「電気通信設備 電気通信を行うための機械、器具、線路その他の電気的設備をいう。」
では、この電気通信事業法が適用される電気通信事業者とはどんな会社かと言えば、NTTやKDDIのような電話会社から、インターネット・サービス・プロバイダまで含まれる。
2004年度以降、電気通信事業者に第一種・第二種の区分がなくなり、登録・届出制になったためだ。
やはり、上述の大阪芸術大学教授が指摘しているように、今回の放送法改正で、プロバイダ経由でインターネット上に配信されているNHKの番組も、「放送」の定義に含まれるようになったのだ。
では「受信料」が徴収される条件は何だろうか。同じ改正放送法の第六十四条を引用してみる。
「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置したものは、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」
この条文は受信料を拒否したい人には有名で、「受信契約は義務だが、受信料の支払いは義務じゃない!」とNHKに反論するネタに使われる。
ただ、この直後の第二項には次のように書いてある。
「2 協会は、あらかじめ、総務大臣の認可を受けた基準によるのでなければ、前項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない」
受信料の支払いは、NHKが特別な免除の基準を作ってくれないかぎり、れっきとした義務なのだ。
ところで、ここに出てくる「受信設備」という言葉は、放送法の中に定義がない。したがって「協会の放送を受信することのできる」設備を包括的に「受信設備」とみなさなければいけない。
つまり、パソコンは「受信設備」に含まれない!という反論はできない。
NHKの放送を受信できるものであれば、パソコンでも携帯電話でもスマートフォンでもカーナビでも、何でも「受信設備」になるということだ。
そして改正放送法には、同六十四条第四項に、こんな新しい項目が追加されている。
「4 協会の放送を受信し、その内容に変更を加えないで同時にその再放送をする放送は、これを協会の放送とみなして前三項の規定を適用する。」
この条項が直接ネット配信を狙い撃ちしているのかは分からない。
ただ、この条項が追加されたことで、YouTubeやニコニコ動画やUStreamなど、ネット上の「再放送」を受信した場合も、受信料を支払わなければならなくなることは確かだ。
やはり、自宅や会社のパソコンもすべてNHKの受信料の対象になるのである。
NHKのテレビやラジオの「再放送」を視聴できるのは、2011/03/20時点で、YouTube、UStream、ニコニコ生放送、Yahoo!JAPAN、NHK本体の公式サイトなどがある。
この中で、企業のパソコンでWebフィルタリングなどの仕組みでブロックしづらいのは、Yahoo!JAPANだろう。さすがにYahoo!JAPANを社内から接続不可にしてしまうと、業務に支障が出る可能性が高い。
まったく困った事になった。
やはり会社のパソコンは、放送法改正前のテレビと同じ扱いになり、受信料を支払わなければならないのだ。
(*会社のパソコンの受信料が免除されるのかどうか、NHKに直接問い合わせたことのある方はご教示ください。また、このブログ記事に間違いがあれば、ご指摘ください)