警視庁のデタラメな対策では、子どもを守れない

むちゃくちゃなニュースを見つけた。
『コミュニティーサイト利用:犯罪被害児童9.1%増』(毎日新聞 2011/02/17夕刊)
ニュースソースが警視庁である点がミソだ。携帯電話のコミュニティーサイト(非出会い系サイト)を利用して犯罪被害にあった子ども(18歳未満)が、2010年は1,239人と、前年比9.1%増。
被害者の多い順で7位までは「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構」(EMA)の認定サイトだった。
以上のことから、警視庁が言いたいことは明らかだ。
EMAのような事業者が集まってつくった民間の組織の審査では、子どもを携帯サイトを通じた犯罪から守ることはできない。
やはり子どもを犯罪被害から守るためには、警察庁が携帯サイトをはじめとし、ネット上の有害情報を直接チェックする必要がある。
もっと露骨に言えば、警察にネットの検閲をさせろということだ。
「子どもが被害にあっている」というのが、そのための単なる口実であることは、1,239人という人数の少なさからわかる。
1,239人というのは日本人の18歳未満人口のたった0.006%だ。0.6%の間違いではない。
恣意的に6歳以上18歳未満だけにしぼって計算しても、たった0.009%である。ざっくり1万人に1人と言える。
毎年、利用者の1万人に1人が生命の危険にさらされたり、犯罪被害にあう製品やサービスというのは、携帯電話のコミュニティーサイトの他にも山ほどあるはずだ。
これらを国家機関がいちいち直接検査していたのでは、公務員はいくらいても足りないだろう。実際には業界団体に管轄省庁のOBが天下りしている事例はたくさんありそうなので、これが現実なのかもしれないが。
それにしても、1万人に1人というきわめて低い確率で、児童が犯罪被害にあう原因を、携帯サイトだと断定するのは、あまりムリのある論の展開だ。
これだけ低い確率なら、被害にあった子どもに固有の事情、生活環境や家庭環境などが原因と考えるのが普通だろう。
携帯サイトを主因とするのは、どう考えても警視庁のこじつけである。
そもそも、出会い系サイトを規制したのは、子どもが犯罪被害にあうのを防止するためだったはずだ。
しかしその結果、警視庁が想定したような効果が上がらないからといって、今度は「非出会い系サイト」も規制すべしという方向へ持って行こうというの、ムチャクチャな理屈だ。
警視庁のやっているようなデタラメな対策ではなく、子どもが犯罪被害にあう原因を突き止めた上での対策でなければ、いつまでたっても子どもは救われない。
非科学的かつ非理論的な警視庁が、はたして子どもを犯罪被害から守ることができるのか。はなはだ疑問を感じさせる、警視庁発信のニュースである。