NHKニュースウォッチ9に登場した安替(anti)なる人物の謎

うむむ。昨日(2011/01/25)のNHKの9時のニュース、中国特集『巨竜 中国はどこへ』に登場した「気鋭の論客」安替なる人物、いったい何者だったのだろうか。
気になって中国の検索エンジン「百度」で検索してみると、中国版のウィキペディアのような「百度百科」には、こんなあっさりした記述しかない。
安替 百度百科
本名は趙静なので、安替はペンネーム。安替の中国語発音をピンインで書くと「anti」となるので、やはり反体制を暗示させるペンネームをわざと使っているようだ。
実は、僕は自分で「安替=anti」というゴロ合わせに気づいたわけではない。
昨日テレビを見ながら、中国のマイクロブログ「新浪微博」でいつもやりとりしている中国人のネット友だちに「いまNHKの9時のニュースに安替っていう人が出演してるけど、知ってますか?」とつぶやい。
すると、いつもどおりすぐにコメントがいくつか届いたのだが、そのうち3人が氏の名前を「anti」と書き換えて来たのだ。
これは例によって、欧米や日本のメディアは自由主義的な考えの中国人ということでもてはやすけれど、中国では見向きもされていない「かませ犬」かもしれない。
ちなみに今日(2011/01/26)になって、中国人のネット友だち2人から、安替氏を知っているというコメントがあった。
一人は中国の人権方面の活動家だというコメント。中国マイクロブログで「人権」と入力すると検閲にあうので、この友だちはわざわざ「(人,,,権,,,)」と書いてきていた。
もう一人からは、安替氏は「米帝」(米国のこと)に行くとき、本名を「anti」という欧米式の名前に改め、その後、中国語で音訳して安替という名前にした、という情報を頂いた。
ちなみに、安替氏のツイッターは下記のとおり。
安替氏のツイッター
なんだかリツイートばっかりのような気がするし、安替氏の新浪ブログも2010/09以降更新されていないし、本当に気鋭の論客なのか、ますますあやしい。
本当に気鋭の論客なら、中国政府から目をつけられて、とっくに別件逮捕で有罪になり、軟禁されていてもおかしくなさそうだからだ。
ただ、僕の中国マイクロブログの友だちも、ほぼ全員が日本の芸能界やアニメ大好きな20代の皆さんなので、彼らが安替氏を知らないからと言って、安替氏が中国で無名だとは言い切れない。
要するに、中国は一人の人物で代表できるような一枚岩の国ではないということだろう。自分の見ている中国は、中国のごく一部でしかなく、それをもって「今の中国は…」などと論じることは誰にもできない。
昨日のNHKの中国特集でも、貧富の差が拡大し、中国政府は民衆の経済格差に対する不満が反政府運動に向かうことを怖れていると伝えていた。
個人的には、こんな周知の事実を、NHKニュースの中国特集が、わざわざメインコメンテーターを中国出張させてまで伝えることもないだろと思った。
しかし、一部の中国人が中国全体を代表しているかのような論調は、日本や欧米メディアに根強いので、同じことをくり返し伝える必要があるのだろう。
僕ら日本人が「誰それ?」と思うような人物を、米『タイム』誌が大々的に取り上げたりするが、中国人が「誰それ?」と思う安替氏のような人物を、NHKが大々的に取り上げたりすることもある。
その程度のささいな誤解かもしれない。
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