J-SOX法は真っ昼間に電源を落とすドロボウを想定しろと言う(2)

昨日の内部統制についての記事にご指摘を頂いたので、ここで返答させて頂きたい。ご指摘は次のとおり。
夜間にシステムを止めてプログラム更新をかける運用なら、ひそかに不正なプログラムを忍び込ませることができるので、統制活動には一定の意味がある、というものだ。
確かにこの方のおっしゃるとおりなのだが、不正なプログラムを書く技術があり、かつ、システム運用のすきをうかがってプログラム更新をかける技術もある要員がいたとする。
そこまでの技術力のある要員なら、既存の統制活動に引っかからないように不正をするはずだ。逆にそこまで技術力がない要員は、そもそも不正などできない。
つまり、あらゆる統制活動は、その業務に精通した従業員にとっては実質的な不正防止の効果がなく、単なる牽制としてしか働かない。
ところで会社員にとって最も強力な牽制とは、「不正をしたらクビにするぞ!」という就業規則だ。
実質的な効果が牽制でしかない内部統制の評価項目は、すべて就業規則の前では無力なのである。
なぜなら、米国と違って日本の労働力は流動性がとても低いので、不正でクビにされたら、ウラでお目こぼしでもない限り再就職がきわめて難しいからだ。
実質的に牽制効果しかない評価項目をいくつも考えだし、その評価に毎年多大な労力をかけるのは、大いなる茶番と言える。もっとも、会社員の仕事の過半は、大いなる茶番なのだが。
茶番があるからこそ、業務効率の低下と引き換えに、日本のホワイトカラーの雇用が守られており、内部統制にしても、この制度が導入されたおかげで、クビがつながっているホワイトカラーがたくさんいるわけだ。