『がっちりアカデミー!!』がこりずに持ち家と賃貸の比較

見るテレビ番組がなかったので、TBS『がっちりアカデミー!!』という普段見ない番組を見てしまった。
勝間和代出演なので本来なら無視するところだが、少し干され気味なのか、意外にほとんどしゃべらないので気にならなかった。
昨日2010/11/26の番組では、マンション買うときは頭金ゼロでも早く買うのが得か、頭金を貯めてから買うのが得かという、何度も聞いたような比較をやっていた。
持ち家か賃貸かという話になると、持ち家派の論者は常に「自分のものにならない部屋に家賃を払うのは丸損だ」という理屈を持ち出す。
これが完全なナンセンスだということを、いい加減に理解してほしいのだが、テレビ局の番組制作スタッフは、バカな視聴者でもわかるようにバカな番組を作ることしかできない事情があるらしいので仕方ない。
もう一度ここでおさらいしておく。
持ち家を買う頭金を貯めるために、家賃が月10万円の賃貸住宅に10年間住むと、自分のものにならない住宅のために1,200万円も支払うことになる。ならば頭金ゼロでも一刻も早く持ち家を買うべきだ。
…というのが、持ち家派が常に持ち出すナンセンスな議論だ。
頭金なしで持ち家を買うために、例えば3,000万円をフラット35で年2.5%で借りると、総返済額は4,505万円になる。
10年で頭金を500万円貯金できたとすると、借入が2,500万円で済むので、同じフラット35で年2.5%の金利で借りると、3,754万円。
差額は751万円なので、実質的に頭金ゼロで早く購入することによって節約できるのは1,200万円マイナス751万円で約450万円。
『がっちりアカデミー!!』では、頭金ゼロで今すぐ持ち家を購入すると、まるで1,200万円まるごと得するかのように放送していたが、全くの誤りだ。
もちろん、これだけではない。
これはさすがに番組の中で触れていたが、3,000万円を借金するということは、多額の負債を確定させてしまうということだ。
家賃は月単位の負債なので、月10万円を支払えなくなれば、より安い家賃の物件に引越すことができる。
しかし3,000万円を年2.5%で借りた場合、必ず35年にわたって毎月10.8万円を支払わなければならず、支払えなくなれば破産になり、持ち家を手放す必要がある。
毎月可変の家賃を支払うことと、35年間固定の返済金を支払うことは、全く資金ポジションと、それにともなうリスクの大きさが違う。
この点はさすがに勝間和代は正しく把握し、頭金ゼロで持ち家を購入することに反対していた。
この番組には、夫が31歳の夫婦が35年ローンを組む前提で新築物件を見学する場面が出てきたが、66歳まで月12万円を返済できなくなるリスクを考えたことがないのか。
ご夫婦には申し訳ないが、新築物件に目を輝かせる二人が、悪徳商法に見事に洗脳された被害者にしか見えなかった。
長々と書いたが、ひとことでいえば、持ち家が良いか、賃貸が良いかという比較自体がナンセンスなのだ。
まったく最近の情報バラエティーは、頭の良さそうな見かけをしているが、放送内容は完全に痛い。