条例を私物化している石原東京都知事

東京都の石原都知事は中国嫌いで有名だが、青少年育成条例改正案の「改悪」ぶりを見ていると、他の国を非難することなどできないとしか言いようがない。
2010/11/30の都議会に再提出されることになった、青少年育成条例の改正案は、評判の悪かった「非実在青少年」を削除した代わりに、規制範囲が大幅に広がったとのこと。
今回の変更部分がわかる資料は、下記のリンク先にグーグル・ドキュメントとして公開されている。
東京都青少年の健全な育成に関する条例【新条例】
僕がこの情報を知った元ネタはITmediaのこちらの記事。
『「非実在青少年」を削除、再提出へ 都条例改正案』(ITmedia 2010/11/22 18:36)
条文の詳しい検討は、下記の山口貴士弁護士のブログ(ココログ)をお読みいただきたい。
『第156号議案「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」の条文』(「弁護士山口貴士大いに語る」2010/11/23の記事)
要するに、この青少年育成条例の新条例は次のようなものだ。
18歳未満の都民から思想・良心の自由という基本的人権を取り上げることで、彼らの人権を尊重しようという、完全に矛盾した条例である。
18歳以上の都民についても、知事が恣意的な基準で表現の自由を規制できる、憲法を超越した独裁的な権限を認めた条例である。
たぶん、石原都知事は中国共産党のことが嫌いなのではなく、その強大な権力に嫉妬しているだけなんだろう。
なので、青少年の健全育成を口実に、個人的に不愉快な表現物を東京都から一掃する思想統制の権力を手に入れたいらしい。
そうとでも解釈しなければ、こんな新条例を作ろうという石原都知事の動機が説明できないのだ。
また石原都知事が、いろいろな犯罪についての表現物がある中で、なぜ性的な犯罪の表現物についてだけ、ここまでしつこくこだわるのか、理解に苦しむ。
例えば、今回の新しい条文では、ごていねいにも近親相姦の表現物をとくに規制する文言が追加されている。
近親者の婚姻届は民法にもとづいて突き返されるが、近親者間の合意による性行為は刑法でも罰せられない。
このように、一方では、刑法でも罰せられない行為の表現物を規制しておいて、他方では、例えば残忍な殺人をこと細かに描写した表現物は野放しにするというのは、明らかにおかしい。
性的な表現物が不愉快だという、石原都知事のごく個人的な思想・良心の自由は大いに結構だが、それを条例にするのは明らかに憲法違反だ。
都の条例を、個人的な趣味を東京都民に徹底させるための道具に使うのは、いい加減にして頂きたい。