radikoがいよいよ株式会社化して全国展開

radikoがいよいよ株式会社化し、全国展開となるらしい。
『「radiko」本格実用化に向け新会社設立、北海道・名古屋・福岡にもエリア拡大』(Impress Internet Watch 2010/11/25 16:42)
この記事にあるように、僕もradikoのラジオ放送配信が始まってから10年以上ぶりでAMラジオを聴くようになった一人だ。
おそらく今までのAMラジオ聴取者は、昼間の番組を聴く主婦、オールナイトニッポンなどの深夜放送を聴く学生、声優ラジオを聴くアニメファン、NHKの『ラジオ深夜便』を聴く高齢者などがメインだったに違いない。
つまり、僕のように労働者の中心層である30代~40代の男性や、20代~30代の若い未婚女性は、AMラジオなど聴こうとも思わなかったはずだ。
僕がradikoのようなIPサイマル配信でいちばん良い点だと感じたのは、AMラジオを生まれて初めてステレオで聴けたこと。
言い換えれば、電波状況を全く気にせず、常に最良の音質でラジオを楽しめるようになったことだ。
果たしてAMラジオをステレオで聴くためだけに、わざわざラジカセやステレオを買い換えた消費者などいるだろうか。AMはFMに比べると電波状況が良好な場所を探すのが格段に難しい。

そういえば、先日ローレンス・レッシグ教授の『フリー・カルチャー FREE CULTURE』を読んで初めて知った、FM放送発明当時のエピソードがある。
ご承知のように、FM放送の電波の届く範囲はかなり制限されている。これは、AM波に比べてFM波の音質が格段に良いため、FM放送が発明された当時の米国で、レコード会社がFM放送に厳しい制限を加えるよう、政府に強烈な政治的圧力をかけた結果らしいのだ。
詳細はローレンス・レッシグ著『フリー・カルチャー』(山形浩生訳)をお読みいただきたい。
それはいいとして、はっきり言ってAMラジオのステレオ化は、このIPサイマル配信が始まるまでは、ほぼムダだったのではないか。
果たしてAMラジオの聴取者のうち、ステレオ高音質を楽しめる電波状況に住んでいた人がどれだけいただろうか。
また、IPサイマル配信のさらなる利点としては、第三者が使い勝手の良いラジオ・アプリを開発する可能性が生まれたことだろう。
ここから番組内容と連動した情報提供や新たな広告配信など、ラジオをめぐる新しいビジネスモデルが産み出されていくことは間違いない。
テレビは動画のデジタル化・インターネット化に歩調を合わせて、ワンセグ放送や過去の番組のネット配信など、新しいビジネスモデルの模索を続けてきた。
それに対して、今までラジオは過去の番組を、聴取機器がアップル社の製品に限定されたポッドキャストで配信する程度で、ずっと旧態依然たる放送形態にこだわっていたのか、その理由がさっぱり分からない。
やっとラジオもネット配信による新しい可能性に目覚めたということだろうか。