宇多田ヒカルの「ベスト買わないで」は単なるワガママ?

宇多田ヒカルが、2010/11/24EMIから発売される『Utada Hikaru Single Collection Vol.2』にぶつけて、同日にUniversalが『Utada the best』を発売するということで、お怒りらしい。
宇多田ヒカル 公式ツイッターアカウントより
Universalのベストアルバムは買わないでと、Twitter(ツイッター)でファンに呼びかけているが、個人的には自業自得としか思えない。
どうやらこれは、レコード会社の持つ「原盤権」なるものによって発生する問題で、特にベストアルバムの発売をめぐって、歌手とレコード会社の間でたびたび起こる対立らしい。
ウィキペディアによれば、Dreams Come Trueも、エピックレコードジャパンが彼らの同意なしに発売した『BEST OF DREAMS COME TRUE』(1997/10/01発売)で、レコード会社と対立したとのこと。
「BEST OF DREAMS COME TRUE」(Wikipedia)
でも、プロの歌手なら、原盤権のことを知らずにレコード会社と契約したなどということはありえない。
まして、個人事務所も、膨大な資産も持っている宇多田ヒカルほどの歌手が、意に反してベスト盤を発売されることがそんなにイヤなら、最初から原盤権を個人事務所が保有する条件で、Universalと契約すれば良かったのではないか。
アーティストが自分の楽曲の著作権が保護された状態で、いわば「安心して」活動できるのは、彼らがレコード会社経由で著作権管理組織から収入の分配を受けられるからではないのか。
そして著作権管理団体は、アーティストに代わって、著作権保護のために政治家に圧力をかけたり、著作権違反に対する指導や警告をしたり、最近では私的録音まで制限するという、明らかに過剰な著作権管理に踏み込んでいる。
アーティストは著作権管理組織がそのような活動から得た収入の一部が、個人の私的活動に対する過剰な管理であることを承知で、レコード会社に制作過程を頼っているのではないのか。
もしそれがイヤなら、有志のアーティストだけが集まって、原盤権の保有権を主張しないレコード制作会社を共同出資で設立し、著作権管理も独自に行って、楽曲は例えばネットだけで配信すればよい。
その方が、おそらくアーティスト自身の納得のいく音楽制作ができるに違いないし、原盤権をめぐる不毛な対立に巻き込まれることもない。
僕が宇多田ヒカルに聞きたいのは、なぜそうしないのか、ということだ。
散々レコード会社に制作過程を依存して、一部は明らかに個人の私的権利を侵害している巨額の著作権収入を上げておきながら、自分の意に反したベストアルバムを発売されたからと言って苦言を呈するのは、音楽を享受する一般市民の立場からすれば、「持てる者のワガママ」にしか聞こえない。
こういう時だけ被害者ぶっても、例えば日本では明らかに独占禁止法に違反していると思われるJASRACの存在に、いわば「寄生」しているのだから、全く説得力がないと思うのだけど。
アーティストからの反論、お待ちしております。(反論なんて来ないだろうけれど)
Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1 - 宇多田ヒカルUtada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1
Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2 - 宇多田ヒカルUtada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2