目の不自由な方にアイドリング・ストップ車は危険かも

会社の近くを歩いていたら、珍しく石畳になっているオフィス街の路地を、目の不自由な女性が白い杖を突きながら歩いていた。
路肩に停まっていた車が、その女性の行く手をふさがないように、そろそろと発車して走り去っていった。
この光景を見て思い出したのが、例の、電気自動車はエンジン音がしないので、目の不自由な方は自動車の接近が分からず危険、という話。
先日、NHKのニュースだったかで、高校生が自動車のタイヤのホイールに埋め込む形式の、騒音発生装置を考案したことが紹介されていた。
仕組みはいたってシンプルで、タイヤが回転すると、コイン型の金属片が樹脂製の溝の中を、カタカタ音を立てながら動きまわる。
タイヤが回転するときの遠心力だけで音が鳴るので、電気も使わず、構造もシンプルで、コストが安くあがり、しかも取り付けも簡単。商品化は有望というお話だった。
でも、目の不自由な方が自動車で危ない目にあうのは、よく考えると自動車が走っている場合だけじゃない。停まっている自動車が動き出すときにも危険がある。
少なくともアイドリング状態のガソリン車がエンジン音を出すのと同じように、目の不自由な方のためには、電気自動車も走りだす直前に音を出す必要がありそうだ。
すると、上述の高校生くんの発明は、残念ながら目の不自由な方にとって危険が残ってしまう。
ただ、それを言うと、信号待ちの停車時に自動的にエンジンが停止する、アイドリングストップ車も、環境にはやさしいかもしれないが、目の不自由な方には危険ということになる。
横断歩道の信号が変わるのを待つアイドリングストップならまだ良いが、最初の例のように、歩行者と自動車が混在しているような狭い路地で、車が動き出すときには、動き出す前にすでに音を出している必要がある。
体の不自由な方の観点というのは、健常者にはなかなか分からないものだなぁと思った。