日経IT Pro掲載の花王の基幹システム再構築事例に驚き

日経IT Pro掲載の「IT Japan Award 2010」で、「準グランプリ」を受賞している花王の基幹システム再構築事例を読んで、少々驚かされた。
製造業は、実行系でも生産管理はその会社独自のノウハウのある「コア領域」という先入観があったのだが、花王の事例では、実行系のシステムは、販売管理、生産管理、物流管理、販売管理、財務・管理会計ふくめて全て「ノンコア領域」と見なされ、SAP ERP 6.0で再構築されたらしい。
花王の新しい基幹システムの「コア領域」イコール計画系システムらしいのだ。調達計画や、生産計画、在庫計画、販売計画など。
花王の製品は一般消費者向けの最終消費財で、製造業であっても組み立て系ではなく、プロセス系だから、生産管理もパッケージソフトで対応できる「ノンコア領域」になり、需要予測にもとづく計画系に独自のノウハウがあるということなのだろうか。
過去に在籍したことのある組み立て系のメーカーでは、生産管理は明らかに「コア領域」と見なされ、パッケージ適用ではなく独自開発していた。
もう一つ在籍したことのあるプロセス系のメーカーでも、生産管理と原価計算は「コア領域」と見なされていた。ただ、このプロセス系メーカーは最終消費財ではなく、その上流の素材を製造するメーカーだったので、花王とは考え方が違ったのかもしれない。
いずれにせよ、「コア領域」と「ノンコア領域」を思い切って分けて、「ノンコア領域」にSAPを適用してしまうというのは、きっと大英断だったに違いないのだが、それを実現してしまえる点に、花王という会社の競争力の一端がうかがえるような気がした。